レシピ

インド人直伝 基本のチキンカレーをマスターする
<スパイスの使い手になる①>

本格チキンカレー、材料と作るポイントはこれ!

調理に入る前に、プラサドさんにチキンカレーを作るうえで大切なポイントを聞きました。

「チキンカレーを作るときはね、骨付きチキンを使ったほうがいいよ。骨からダシがでます。インドの家庭では、一度に1~2kgくらいのチキンを使う。たくさん作ったほうが美味しくできます。これで家族4人、昼と夜に食べるくらいね。一番時間かかるのは玉ねぎを炒めるとき。ゴールドになるまでゆっくりゆっくり時間をかけて炒めてね」

内臓除去済みの、小さめの冷凍丸鶏。1羽800gくらい。プラサドさんのお店では1羽なんと350円(!)で販売しているそう。

内臓除去済みの、小さめの冷凍丸鶏。1羽800gくらい。
プラサドさんのお店では1羽なんと350円(!)で販売しているそう。

ということで今回は、小さめの丸鶏2羽分を使った作り方になりますが、鶏を半分の量にしたいときは、その他の材料も半量にしてください。使うスパイスの種類の多さに驚くと思いますが、これがインドの家庭では基本らしいです。

材料(4人×2食分)

  • 内臓をとった丸鶏
    (あるいは手羽元や手羽先)
    小さめ2羽分
    (約1.6kg分)
  • 玉ねぎ 大きめ1個半~2個
  • ニンニク 5~6片
  • しょうが 40g程度
  • トマト 大きめのものを半個
  • 200~400mL(好みによる)
  • 食用油 大さじ3
  • 小さじ3程度
  • ▼ホールスパイス  
  • クミンシード 小さじ1
  • ブラックペッパー 15粒
  • グリーンカルダモン 6粒
  • クローブ 10粒
  • シナモン 1本
  • インディアンベイリーフ(ふつうのベイリーフでも可) 1枚
  • 赤唐辛子 2本
  • 青唐辛子(好みで) 1本
  • ▼パウダースパイス  
  • ターメリックパウダー 小さじ山盛り2
  • チリパウダー 小さじ1
  • クミンパウダー 小さじ山盛り2
  • ガラムマサラ(チキンカレー用) 大さじ1

現地感たっぷりの台所で作る、本格チキンカレー

では、早速プラサドさんに作ってもらいます。
「まずね、ニンニクとしょうがはみじん切りに。次に玉ねぎをスライスする。みじん切りにする人もいるけれど、ワタシはスライスが好き」

「次に鍋に油を入れる。インド人がよく使うのはヒマワリ油」。そういって鍋に油を入れたのですが、その鍋が見たことのない形でユニーク。インドの家庭ではおなじみの形の圧力鍋だそうです。ただし、今回のチキンカレーでは圧力をかけません。

鍋に入れたヒマワリ油を中火で熱しつつ、ホールスパイスを用意します。「クミンシード、グリーンカルダモン、ブラックペッパー、クローブ、シナモン、ベイリーフ。カルダモンは中に種があって、そこから香りが出るから、ペンチで潰すといいね」。そう言って、プラサドさんはカルダモンをペンチで一粒ずつ潰していきます。なるほど、ペンチの新しい使い方、発見です。

「そうしたら、熱した油に、最初にクミンシードを入れる。小さじ1杯くらい」。

「クミンからシュワシュワ泡が出たら、次に、カルダモン、ブラックペッパー、クローブ、シナモン、ベイリーフを入れる。そのときにね、油でスパイスがぱちぱち跳ねるから、おさまるまで鍋にフタする」。パチパチ音がおさまったらフタを取ります。すると鍋の中はこんな感じ。

「次は、鍋に玉ねぎを入れる。火は初めから最後まで、ずーっと中火」。玉ねぎを軽く炒めたら、適当にちぎった唐辛子と輪切りの青唐辛子を入れてさらに炒めます。ただし、青唐辛子を入れるとかなりシャープな辛さが出るので、辛いのがあまり得意でない方は、控えたほうが良いかもしれません。

玉ねぎを炒め続ける間に、丸鶏をぶつ切りにしていきます。まず背中に包丁を入れて、皮をはぎます。そうするとぶつ切りにしやすいそう。皮が好きな方はとっておいて、後で肉と一緒に入れてください。「日本の人はなかなか丸鶏を買わないね。手に入らなかったら、手羽先や手羽元でもいいよ。骨が付いていれば」とのこと。やはり骨がついているかどうかが、最重要ポイントなんですね。

ところで、今回はチキンカレーの作り方を教えてもらっていますが、インドではほかにどのようなスパイスの使い方があるんでしょう? 「今日使ったスパイスは肉のとき。チキンだけじゃなくて、マトンカレーの時も同じ。でも野菜は野菜の、魚は魚のスパイスがある。たとえばオクラを炒めるなら、コリアンダーとターメリックとチリ。魚のカレーにはマスタードシードを使う」。やはり食材によってスパイスの組み合わせを変えるんですね。インド人のスパイス使いはまだまだ奥が深そうです。

さて、先ほどから炒めている玉ねぎはどんな感じでしょうか?

「まだまだ。もっともっと炒める。色がゴールドになって、ペーストみたいになるまで。焦がしたらダメだから時々混ぜる」。十分あめ色になっているように見えますが、プラサドさんは、なかなかOKを出しません。引き続き、気長に炒め続けます。

さてここで、プラサドさんが重そうな半円型の石を持ち出してきて、先ほどみじん切りにしたニンニクとしょうがをワイルドにすり潰し始めました。「この石もインドの家庭にはどこにでもある。これですりつぶさないと調子でない」。

とはいっても、この石をもっている人は、なかなか日本にいないと思いますので(笑)、初めからみじん切りではなく、おろし金やミキサーですり下ろしておいたほうが良さそうです。

玉ねぎのほうは、40分くらい炒め続けたところで、ようやくプラサドさんの「GOOD!」が出ました。きれいなあめ色で、玉ねぎがほとんどとろけてペーストのようになっています。そこに先ほどすり潰したニンニクとしょうがを入れて、軽く炒めます。

さらにぶつ切りにしたチキンを鍋に投入。

肉の表面の色が変わるまで炒めたら、パウダースパイスを加えていきます。まずはターメリック。日本ではウコンとも呼ばれていますね。小さじで山盛り2くらい。

次に、チリ。今回は小さじ1くらいを入れました。「とても辛いパウダーだから、辛いの嫌いな人は、少なくしたほうがいい」とのアドバイス。

最後に、クミンパウダー小さじ山盛り2杯。先ほど種の状態のクミンシードも使いましたが、パウダー状のものも入れます。インド料理には欠かせない香りのよいスパイスです。

あとは、チキンカレー用のガラムマサラ。ガラムマサラとは、様々なスパイスがミックスされているもので、仕上げに入れることで味に奥行と一体感が出るのだそう。

パウダースパイスを入れてチキンと一緒に混ぜたら、トマト半個を乱切りにして鍋に入れ、ひとまぜします。プラサドさんは、トマトをまな板を使わず皮つきのまま空中切り(!)して鍋に入れていました。

ここで鍋に水を入れます。だいたい1~2カップ程度でしょうか。丸鶏を使った場合、鶏肉から水分がかなり出るので今回は水をあまり入れませんでしたが、好みにもよるので様子を見ながら入れてください。

ようやくカレーらしくなってきました。最後に塩で味を付けて、チキンに火が通るまで軽く煮ていきます。プラサドさんいわく「インド料理では味付けは塩だけ。だからしっかり塩入れたほうがおいしいよ」とのこと。調味料は塩だけということは、食材のもつ味と香辛料で変化をつけていくんですねー。さすがスパイスの国。ちなみに日本のカレールーとは違い、インドではカレーを作るときには小麦粉を使いません。

さて、そろそろカレーができあがるという頃に、炊飯器からもいい匂いが漂ってきました。今回プラサドさんはインドのお米・バスマティライスを用意してくれていました。「バスマティ」とはヒンドゥー語で「香りの女王」という意味だそう。その名の通り香りがよく、細長い形で、味わいはサッパリ。パラパラしているので、カレーに良くなじみます。

さて、チキンカレーも、ライスもとうとうできあがりました! 部屋中にスパイスの良い香りが満ちていて、かなり食欲を刺激します。

スパイスから調合した本格チキンカレー、いただきます! →