「ふるさと納税」で台風被災地や観光復興支援ができます !

返礼品のトラブルなどマイナスイメージもある「ふるさと納税」ですが、被災地の復興支援や首里城再建プロジェクトなど、「ふるさと納税」で社会貢献を目的とした寄附もできます。その意義について、あらためて考えていきましょう。

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ふるさと納税のトラブルってどんなもの?

ふるさと納税で届いた返礼品の牛肉が著しく脂身が多かったというニュースがSNSで投稿されたのを発端に、さまざまなメディアで取り上げられたニュースを見聞きした人も多いかも知れません。

高級かつ美味しそうな地元グルメを敢えて選んでふるさと納税する人も多いだけに、自治体HPやポータルサイトに掲載されている写真や説明文と届いた現物の様子が違っていれば、大きなショックを感じてしまうものでしょう。

話題となった当該トラブルに関しては、返礼品を贈った自治体がふるさと納税者一人ひとりへの確認、謝罪、代替措置など迅速な対応を取ったこともあり落ち着いた様子です。しかし、ふるさと納税の返礼品のトラブルはこれだけに限らないようです。

たとえば、野菜や果物など生鮮食品の場合、到着時に傷みがあること。また、海産物や肉類などは届いたときの保冷状態が適正ではなかった例もあるようです。人気の高い返礼品では自治体の想定以上に申込みが殺到し、返礼品の調達や発送が間に合わないというトラブルも聞きます。

届いた現物が期待していた物と違うことは、現物を見ないで商品を購入する通信販売やネットショッピングなどでもあり得ることです。通常このような商取引でトラブルがあれば、すぐに業者に連絡を取って返品依頼をする人が多いと思います。ふるさと納税の場合でも、明らかに返礼品に不具合がある場合には、まずはふるさと納税先の自治体もしくは利用したふるさと納税サイトへ連絡を取るなど、冷静に対処しましょう。

ふるさと納税のしくみを正しく理解しておきましょう

返礼品トラブルは嬉しくないことですが、ふるさと納税には返礼品以外のメリットもあります。ふるさと納税をしたことがある人も、まだ経験がない人も、この機会にあらためてふるさと納税のしくみとメリットを見てみましょう。

ふるさと納税は、日本全国の地方自治体の中から自分が応援したいと思う自治体を選んで「寄附」をする制度です。

寄附をした年の翌年の一定時期に確定申告をすることで、寄附金の一部が所得税・住民税から控除され、税金が安くなるメリットがあります。控除される金額は収入や家族構成等に応じて一定の上限がありますが、原則として寄附した金額から2,000円を引いた全額が税金(所得税および住民税)から控除されます。詳しい計算は省略しますが、たとえばふるさと納税で2万円寄附すると、1万8,000円(20,000円-2,000円)が所得税と住民税に分かれて戻ってくることになります。

会社員の人の場合、所得税は給料から天引きされていますから、後日、口座振込みなどの方法で還付されます。住民税はふるさと納税をした翌年度の住民税で控除分が調整されるようになります。

自分の場合はいくらまで控除対象となるか、上限額の目安を知りたい人は、総務省のサイト上で寄附金控除額を計算するエクセルシートが用意されていますので利用してみてください。

※寄附金控除額の計算シミュレーション
(エクセルファイル ダウンロード)

ふるさと納税は地域貢献のしくみです

ところで、なぜこのような自治体に寄附するふるさと納税制度ができたかご存じでしょうか。

通常、所得を得ている人のほとんどは、所得税のほか住んでいる地域の自治体に住民税を納めます。この住民税は保育・教育・子育て支援、医療・福祉サービス、高齢者の介護サービス、地域産業の発展など、住民の暮らしを支えるさまざまな行政サービスを行うための大切な財源です。多くの人は生まれた地域でさまざまな行政サービスを受け育っていますね。しかし、やがて進学や就職で故郷を離れれば、別の地域に納税することになります。

このことは大きく2つの問題を生み出します。1つは税収格差の問題。一般的に都会には人が集まり、地方からは人が離れていく傾向があります。地域によっては過疎化や少子化の問題をはじめとした深刻な課題を抱える自治体もあり、そのような自治体では税収が少ない問題があります。


2つ目は、納税者の気持ち。多くの人は生まれ育った地域を離れても、自分のふるさとを応援したい気持ちは持ち続けていると思います。しかし、住民税は原則として居住している自治体に納めるもの。また、自分が納める税金の使い道を指定することもできません。

ふるさと納税は、これらの問題を是正することを目的として制定されました。ただ住んでいるからという理由ではなく、自治体それぞれのふるさと納税への考え方や寄附金の使い道に賛同し、応援したいと思えば自分の意思で寄附をする、つまり地域貢献がふるさと納税の基本です。

それぞれの自治体がホームページ等でふるさと納税に対する考え方や、集まった寄附金の使い道を公開しています。応援する自治体が自分の住む自治体なら住民税、他の自治体なら寄附という形で納め、その分を自分の居住地の住民税から控除してもらうことになるのです。

ふるさと納税で被災地支援もできます

ふるさと納税で寄附金を集めるために高額な返礼品を提供する自治体も多くあったこともあって、返礼品ばかりが注目される傾向がありましたが、中には返礼品を贈らない自治体もあります。それでもその自治体に寄附をする人も多くいます。

それはおそらく、ふるさと納税が地域貢献であるという基本をきちんと理解し、自治体が公開しているふるさと納税での施策をサポートしたい気持ちがあるからでしょう。

たとえば、被災地の復興・復旧支援。直近では台風15号および19号で多くの地域が大きなダメージを受けました。自然災害の多い日本では、これまでにも甚大な被害状況をメディアなどで目にすることがよくあります。そのたびに復旧・復興には協力したいと考える人は多いでしょう。

ふるさと納税を通して被災地の復興・復旧支援、観光振興を行うことも可能です。被災地の復旧に自分のお金を役立てて欲しいと思えば返礼品がなくても寄附することに抵抗を感じることもないでしょう。むしろ地域貢献できる喜びの気持ちのほうが大きいかもしれませんね。

ふるさと納税の意義を今一度見なおして、自分自身と自治体がハッピーになれるようなふるさと納税をこれからもしていきたいですね。

動物の殺処分をなくす支援プロジェクトへの寄附もできます。
動物の殺処分をなくす支援プロジェクトへの寄附もできます。


●記事の情報は2019年11月26日時点のものです。

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