りんご酢でダイエット。寝る前に飲んでもいいの？ ダイエット講師・松田リエさんに効果的な飲み方を聞きました

─りんご酢ダイエットはどんなダイエットなんでしょうか？

松田　りんご酢ダイエットとは、食事にも取り入れやすいりんご酢を継続的に摂って、健康的に減量やサイズダウンを目指せるダイエット法です。何かに置き換えるのではなく、いつもの食事にプラスするだけなので、どなたにも気軽に始めることができます。

─普通のお酢でなく、りんご酢なのもポイントですか？

松田　お酢を飲むダイエットを始めても、酸味が強いので飲みにくさを感じる方が多く、短期間でやめてしまうこともよくあります。その点りんご酢なら、料理に使う醸造酢や黒酢などに比べてマイルドで甘みがあるため、続けやすいというメリットがあります。

また、りんご酢ならではの女性にうれしいさまざまな効果も期待できるんです。

松田　お酢に含まれる酢酸は、脂質代謝を促し脂肪の蓄積を抑制する効果があります。また、りんごの皮に含まれる「りんごポリフェノール」には、脂肪を分解して燃焼させる作用のある「褐色脂肪細胞」を増やす働きがあり、りんごをまるごと摂ることで痩せやすい体質になることもわかっています。

松田　食事で糖を摂って血糖値が上昇すると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには糖を脂肪細胞に取り込む働きがありますが、血糖値が急上昇するとインスリンが過剰に分泌され、体に脂肪をため込みやすくしてしまいます。ダイエットのためには血糖値の急上昇を抑えることがとても大切です！　酢酸には血糖値の急上昇を抑える働きがあり、太りにくい体にしてくれます。

松田　血糖値の乱降下は空腹を感じやすくする作用があり、そのタイミングでお菓子などを食べてしまう人が結構多いのですが、酢酸によって血糖値の乱降下がゆるやかになると満腹状態が長続きします。酢酸には、食欲をコントロールできるというメリットもあります。

松田　りんご酢に含まれるクエン酸やりんご酸は、食べ物から取り入れたエネルギー源（カロリー）を効率よく活用してくれます。しかも、りんごポリフェノールは血液をサラサラにする効果があり、血液レベルで老化を予防することで代謝の低下を防ぐ効果が期待できます。

松田　りんごにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内の余分な水分と塩分を排出し、むくみ解消につながる栄養素です。むくみは太る原因のひとつですから、むくみが解消できると痩せ見え効果につながります。さらに、りんごに含まれる水溶性の食物繊維と酢酸の相乗効果で腸内の環境がよくなり、便秘を改善してくれます。便秘も太る原因になりますので、便秘に悩んでいる人は、ぜひりんご酢を試していただきたいです。

松田　りんごポリフェノールには強い抗酸化作用があり、シミやしわ改善などのアンチエイジング効果が期待できます。また、お酢に含まれるクエン酸には肌の新陳代謝を高め、くすみ改善などの美肌効果があることもわかっています。

─りんご酢を飲むことでたくさんの効果が期待できるんですね。

松田　はい。ですが、これらの効果をしっかりと感じていただくためには、りんご酢の選び方が重要です。次の2つのポイントはぜひチェックしていただければと思います。
 

りんご酢の選び方①┃原材料がシンプルな「調味料」を選ぶ

りんご酢の選び方②┃オリゴ糖入りを選ぶ

─りんご酢をダイエット目的で飲む場合、1日にどれくらいの量を飲むのがいいのでしょうか？

松田　ダイエットに最適な量は1日につき、大さじ1～2杯程度。その量を、5～7倍程度に薄めて飲むのがおすすめです。りんご酢には酢酸が入っていて、摂りすぎると胃や歯に悪影響が出てしまうことがあるため注意しましょう。

─りんご酢は飲むタイミングにも気を付けた方がいいですか？

松田　そうですね。りんご酢には血糖値の上昇を抑える効果がありますので、ダイエット目的で飲む場合は、食事中や食後に飲むのがおすすめです。りんご酢は酸性で、胃に負担がかかることもあり、空腹感のあるときや夜寝る前に摂るのは避けた方がいいでしょう。

また、どんなダイエット法にも言えますが、1～2日取り入れただけで、すぐに体の変化を感じることは難しいです。ダイエット目的で摂るのであれば最低、３か月以上は継続して様子を見ていただきたいです。

─りんご酢は5～7倍程度に薄めて飲むのがいいとのことでしたが、どんな飲み物で割ってもいいのでしょうか？

松田　体に取り入れたら効果は同じですから、基本的にはご自分に合った方法で続けていただくのがいいと思います。ただ、組み合わせることでよりダイエット効果が期待できるものもありますよ。

─ダイエット効果を高める組み合わせ、ぜひ知りたいです！

松田　5つのおすすめをご紹介しますので、ご自分に合う組み合わせをぜひ見つけてみてくださいね。
 

●りんご酢＋炭酸水

松田　水で割ってもおいしく飲めますが、炭酸水と割るとより飲みやすくなります。炭酸水には食べ過ぎを予防し、便秘解消、代謝をアップさせる効果がありますし、満腹感を得られるため、食事中に飲むことで食べ過ぎを防ぐこともできます。シュワッとはじける炭酸を飲むと気分転換もでき、リフレッシュしたいときの1杯にもおすすめです。
 

●りんご酢＋はちみつ

松田　炭酸水や水で割るだけでは酸っぱくて飲めないという人は、はちみつを加えて飲んでみてください。甘味が加わって飲みやすくなるだけでなく、ビタミン、ミネラル、酵素など栄養豊富で、ダイエット効果をプラスできます。ただし、はちみつも摂りすぎには注意が必要です。砂糖よりも糖質やカロリーが高いため、摂りすぎると太る原因になってしまいます。1杯のりんご酢に小さじ1～2杯程度を目安にしましょう。

また、はちみつは甘味料が添加されているものも多いため、ダイエット中は加糖されていない純粋はちみつ*を選びましょう。その中でもおすすめの種類は「アカシアはちみつ」です。他のはちみつと比べて血糖値が上がりにくい特徴があって、さらっとしていてドリンクに溶けやすく、味にクセがないので使いやすいと思います。

*純粋はちみつ…加糖などの加工処理を一切行っていない天然のはちみつ。はちみつが本来持つ栄養成分が豊富に含まれています。
 

●りんご酢＋ルイボスティー

松田　ルイボスティーには、代謝アップ、便秘解消、アンチエイジング効果があり、りんご酢との相乗効果が期待できます。イライラ解消効果があり、ストレスによる過食が不安な方にも向いています。
 

●りんご酢＋豆乳

松田　豆乳にりんご酢を加えると、飲むヨーグルトのようにおいしくいただけます。豆乳はたんぱく質が多く含まれ、ダイエットに重要な筋肉やホルモンなどの材料になり、体温を上昇させる効果もあります。朝、ゆっくり食事を摂れないときは、りんご酢と豆乳を組み合わせたドリンクでエネルギーを補給ができます。牛乳でもいいですが、ダイエットにはカロリーや糖質が低い豆乳の方が向いています。豆乳は、砂糖が入っていない無調整豆乳を選びましょう。
 

●りんご酢＋納豆

松田　りんご酢と納豆はどちらも発酵食品で、お互いの善玉菌が混ざり合って活性化するため、腸活にもダイエットにも最強の組み合わせです。発酵食品なら、キムチやヨーグルトをりんご酢と合わせるのもいいですね。

─最後に、りんご酢ダイエットを実践するときに大事なことがあれば教えてください。

松田　りんご酢は、毎日の食事に取り入れるだけで、見た目の美しさだけでなく体も健康になれる最強のダイエット食材です。ただし、食生活が乱れているとその効果は十分に発揮されません。バランスのいい食事や健やかな生活を送ることも、心がけていただきたいです。

※この情報は2024年5月17日時点のものです。