映画ソムリエ激推し! 年末年始にイッキ見したい、配信ドラマ&映画
世界的に大ヒットし、シーズン2の制作も噂される韓国ドラマやほろりと泣ける大人の恋愛ドラマなど、超話題作から掘り出し物まで、見ごたえのある配信作品を映画ソムリエの東 紗友美さんにセレクトしていただきました。
年末年始おすすめ配信映画&ドラマ①「イカゲーム」(韓国)/Netflix
没入感MAX! 94カ国で1位となった超話題の韓国デスゲームドラマ
【あらすじ】
中年男性ソン・ギフンが、ある日地下鉄の駅で声をかけられ、とあるゲームに参加することに。そのゲームは1人1億ウォン(約940万円)×参加者456人、総額456億ウォン(約42億9千万円)という破格の賞金の獲得を目指すというもの。そのゲームは子供の頃に誰もがやったことある遊びだった。生き残るために、賞金を手にするために…巨額の賞金を目当てに壮絶な殺し合いが始まる…。
【おすすめポイント】
2021年9月より配信され94カ国で視聴ランキング1位になるなど世界中でヒットしているNetflixのドラマ「イカゲーム」。非英語作品がこれほどのグローバルヒットとなった例は過去にはないわけでNetflixとしても記録を塗り替えたシリーズと言える、いわゆるデスゲームものです。
タイトルになっている「イカゲーム」とは地面に〇、△、□でイカのような形を描き、その中で陣取りをして勝ち負けを決めるという、韓国の子供たちの遊び。ほかにも「だるまさんが転んだ」「綱引き」など”子供の頃に私たちが経験した“遊び”がゲームの種目となっていることで「自分だったらどう戦うか」や「やったことあるゲーム!この場にいる!」的感覚が呼び起こされ、没入感が強いのが特徴。
殺し合いのシーンが「エグい」とも言われていますが、実は人間ドラマとしても見応えがあるのがこの作品の魅力。移民問題、男女差別、脱北者といった社会の問題とエンタメを融合させ、今の社会を考えさせるような脚本と一流の演技が重なり、韓国エンタメ大国の底力を浴びるように感じさせるドラマです。
主人公のさえない中年男を演じる、イ・ジョンジェは、韓国ノワール映画を代表する名作「新しき世界」や、時代劇「観相師」などでも知られていますが、作品ごとにまったく違う顔をみせてくれるのが魅力。この作品でも観ている人が感情移入できる「普通さ」を上手に演じています。
主演のイ・ジョンジェ。
ほかにもゲームに参加する脱北者、セビョクを演じている、モデルのチョン・ホヨンは、この作品で大ブレイク。演技初挑戦とは思えない表現力が話題となり、インスタのフォロワー数が1,800万まで増加したとか。クールな美貌と独特の存在で、今後注目の女優さんです。
韓国ドラマは1話90分ほどの作品もありますがイカゲームは1時間もので全9話。年末年始にまとめてみるには比較的見やすいシリーズと言えますよ。
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年末年始おすすめ配信映画&ドラマ②「Modern Love」(アメリカ)/Amazon Prime Video
恋愛だけじゃない!さまざまな愛の形に触れるシネマセラピー
【あらすじ】
米紙「ニューヨーク・タイムズ」で約15年続いている人気連載によせられたエピソードをもとに描く愛の物語。アパートのドアマンと住人の女性の不思議な絆、街での偶然の出会いからデートをすることになったカップル、倦怠期の夫婦の日常…。男女の恋愛の枠に留まらず、様々な形の「愛」を描くオムニバスストーリーです。
【おすすめポイント】
『はじまりのうた』や『ONCEダブリンの街角で』など音楽映画の申し子ジョン・カーニーが総監督を務め、ニューヨークを舞台に繰り広げられる8話のロマンチック・ストーリー。特別ではないけど、どんな人生にもドラマがある!と感じさせてくれる、自分の心の中にポジティブなケミストリーが起きるシリーズです。
自分の暮らす街には愛が溢れていることに気づけたり、切ないエピソードもありますが人間っていいな、人生って悪くないなと思えます。愛がテーマの作品群ですが重くなく、インテリアや各エピソードの主人公を表現したファッションも見どころです。1話ごとに出演者が変わるので俳優陣も豪華。エド・シーランやアン・ハサウェイも登場しますよ。
1話30分、傷ついた心を癒してくれる作品が多く、鑑賞後に「どの物語がグッときたか」を考えてみることで、自分がどんな愛の形をいま求めているのか見えてくるかもしれません。年末年始に自分を見つめ直す鏡にも向いています。どのエピソードが好きか、ネットでも良い意味で意見が割れていて、愛の形の多様さが現代を象徴しているようです。ひとりで観るもよし、大切な誰かと観て愛について語り合う…のもいいかもしれません。シーズン2まで配信されています。
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年末年始おすすめ配信映画&ドラマ③「ワンダ・ヴィジョン」(アメリカ)/Disney+(ディズニープラス)
ヒーローモノとシットコムが合体した新感覚エンタメ!
【あらすじ】
『 アベンジャーズ/エンドゲーム 』の“その後”のストーリー。とある郊外の街に引っ越してきたのは、長い恋愛の末、晴れて結婚したスカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフとヴィジョン。60年代のアメリカを想起させるポップでお洒落な洋服に身を包んだ2人は、夢にまでみた結婚生活を手に入れ、幸せな日々を送っていた…。(第1話)
【おすすめポイント】
『アベンジャーズ/エンドゲーム』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』などを手がけたマーベル・スタジオ初の配信のドラマシリーズ。マーベルが初挑戦したシットコム(シチュエーション・コメディ)として幕を開ける新感覚エンタメです。『アベンジャーズ/エンドゲーム 』 のその後を描く設定ですが、ワンダとヴィジョンが愛し合っていた過去があることさえ抑えておけば、完璧な理解は難しいかもしれませんがマーベル作品に精通していなくても楽しめます。
さて、シットコムとは何か? 家族や友達同士の日常を明るく愉快な笑いで描く30分のTVシリーズ。観客の笑い声など入ってる系の作品ですね。「フルハウス」や「フレンズ」を思い出していただければ良いかもしれません。
始まりの画面はモノクロ。シットコム的画面世界の中で晴れて結婚したワンダとヴィジョンが、郊外の街ウエストビューに引っ越してくるところから始まるのですが、徹底的にアメリカのドラマを視聴しているようなコメディなんです。壮絶なアクションや激しい戦いを描いてきたマーベルからは想像できないようなほのぼの世界。サザエさんなどと同じ感覚でリラックスして楽しんでいると、徐々に画面が色づきだし雲行きが変わっていきます。
ノイズが出たり、画面が揺れたりと「何かがおかしい…」と感じさせるゾワゾワする演出。次第に明らかになっていく謎。なぜ、シットコムというスタイルだったのかというのも作品のカギになっています。
1話は50年代風の演出、2話は60年代、3話から70年代風と、放送回ごとにカラーが変わり、テレビ放送の歴史を見ているようですし、作風の緩急がもう「これは事件!」というくらいすごい。そして、ぜひ注目して頂きたいのがこだわりの美術セット。懐かしのアメリカの風景、時代感を演出しているのですが、この作品を手掛けたのはチカコ・スズキさんという日本人の女性なんです! エミー賞で美術賞も受賞するなどハリウッドで大活躍しているアートディレクターです。作品にちりばめられた様々な「仕掛け」を楽しんでください!
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年末年始おすすめ配信映画&ドラマ④「好きだった君へのラブレター」(アメリカ)/Netflix
見るだけで10歳若返る!? 甘ずっぱい胸キュン詰め合わせ3本作
【あらすじ】
恋愛の妄想をするのが好きな16歳の女子高生、ララ、ジーン。好きな男の子ができても告白することはなく、相手へのラブレターを書いてこっそり箱にしまっておくことで満足していました。箱には5通のラブレターが収められていましたが、なぜかそのラブレターが本人たちに贈られてしまうことになり…。
【おすすめポイント】
女子には定期的にキュンの補給は必要です。韓国系アメリカ人の高校生、ララ・ジーンを主人公とする『好きだった君へ』、続編『好きだった君へ:P.S. まだ大好きです』、完結編『好きだった君へ:これからもずっと大好き』という3部作からなるこのシリーズは、合計3時間半程度で鑑賞できるのでイッキ見に最適のロマコメ学園モノです。アジア系の主人公がラブコメ映画の主人公になっているところも現代的。
ストーリーは「地味な私と学校一のモテ男が恋に落ちて?」的な設定で、どうやらこういうお話は世界共通の乙女の夢ということで異論はなさそう。アメリカでは社会現象的に大ヒットしました。
少女漫画要素あり!イケメン要素あり!アメリカのティーンの恋愛模様ですが大人女性も共感できますし、甘酸っぱいセリフに溢れ、はじめて恋をしたあの頃に戻れる”初心忘るべからず”的な映画です。
ドキドキすることで若返った気もしますので、内面に効く美容法のよう!筋肉のように使わないと衰えていく”恋の力”を恋愛映画を観ることで鍛えましょう。
見どころは… ズバリ、ノア・センティネオという俳優です! 顔・体・性格、なにもかも女性の初恋の理想の男子。この映画で、もし好きになったら写真集のようにかっこいい写真だらけの彼のInstagramをフォローするのもおすすめです。
ノア・センティネオはこの作品をきっかけにブレイク!
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バイオレンス、胸キュン、ハートウォーミング。どの作品も見始めるとハマること間違いなし。年末年始の夜長に、ゆっくりお酒でも飲みながら楽しむんではいかがですか?
▼この方にお聞きしました▼
東 紗友美(ひがし さゆみ)さん
映画ソムリエ。女性誌(CLASSY、sweet、旅色等)他、連載多数。テレビやラジオ等の映画紹介や、不定期でTSUTAYAのコーナー展開も実施。映画関連イベントにゲスト登壇するなど多岐に活躍。
オフィシャルサイト▶
Instagram:@higashisayumi
※記事の情報は2021年12月24日時点のものです。
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