衣類スチーマーのおすすめ品は? プロ直伝「シワが取れない」を解決!
衣類スチーマーというとパナソニックやティファールがおなじみですが、「シワが取れない」という声もあり…。「実際のところ、どうなの?」を調査するために、プロのスタイリストさんに使っていただき、その実力を評価していただきました。
この方にお聞きしました
遠藤雅美 さん
スタイリスト。広告、流通を中心にファッションだけではなく、雑貨、インテリアの撮影など 幅広く活動中。ライフスタイル提案も合わせたスタイリングが得意。
※今回テストした衣類スチーマー4点は、家電お試しレンタルサービスの「レンティオ」でお借りしました。
レンティオのサイトはこちら→
衣類スチーマーのデメリット?! 「シワが取れない」って本当ですか?
---衣類スチーマーって手軽で便利なイメージがあるのですが…。
遠藤 アイロン台を出す必要がなく狭いスペースでお手入れができますし、最新の衣類スチーマーだと立ちあがりが早いので、忙しい朝でもすぐかけられて便利ですよね。私も自宅ではアイロン台を出すのが面倒なので、衣類スチーマーを使うことが多いです。
---ただ、衣類スチーマーを購入した人の口コミを読むと「シワが取れない」という声が多いようです。
遠藤 アイロンをかけたときのように、「ピシッ」とプレスができるというイメージを持っている方が多いと思いますが、正直なところスチームをあてるだけでは限界があります。
---では、衣類スチーマーでしっかりシワを取る方法はないのでしょうか?
遠藤 綿や麻の洋服でしたら、洋服をひっぱりながらスチームをかけるとシワが取れやすくなります。表側にだけスチームをあててもシワが伸びにくい素材もありますので、うまくシワが取れないときは裏側からもスチーマーをあててみてください。
衣類スチーマーは基本的に「ふんわり仕上げ」にする製品ですから、「ピシッとした」仕上がりにしたい時はアイロン用のミトンを使ってプレスしながらスチームをあてるのがおすすめです。
衣類スチーマーで「シワが取れない」を解決するポイント
●綿や麻素材は、洋服をひっぱりながらスチームをあてます。
洋服をひっぱりながらスチームをあてないと、余計にシワがよってしまうこともあります。
●表側だけでは、シワが取れにくい素材もあります。
表側だけかけてシワが取れない時は、裏側からもスチームをあててみましょう。
●襟や袖口のお手入れの方法。
ミトンやアイロンシートなどを使うとしっかりプレスできます。スチームは高温で勢いよく出てきますので、ミトンなどを使うとやけど防止にもなって便利です。
●衣類スチーマーならプレス線が入らず、きれいな仕上がりに。
アイロン台を使うと袖にプレス線が入ってしまいますが、衣類スチーマーならプレス線が入らずきれいに仕上がります。
●ニットのシワの取り方。
スチームをあてるだけで、シワがきれいに取れてふんわりした仕上がりになります。
●フリルの立ち上げもきれい!
スチームをあてるだけでふんわり仕上がりますが、しっかりフリルを立ち上げたい場合は、プレスができる2WAYタイプの衣類スチーマーがおすすめ。
衣類スチーマーを選ぶポイントは?
---スタイリストというお仕事をされている遠藤さんから見た、衣類スチーマーに必要な条件は?
遠藤 アイロン面の先が細くなっている方が襟などの細かい部分にスチームにかけやすいと思います。そして、アイロンとしても使える2WAYタイブが良いですね。スチームだけだと襟や袖口など細かい部分のシワを取るのにも限界がありますし、洋服によってはしっかりプレスしたい時もあります。
タンクの容量もチェックします。水がすぐなくなってしまうと不便ですから…。女性の場合は、重さも大切です。あまりに重いと、それが負担になって衣類スチーマーを使うことをやめてしまうこともありますので。
衣類スチーマー プロのおすすめはどれ? 実際に使っていただきました。
パナソニックやティファールといった人気製品、洋服メーカー御用達プロ仕様のタイプなど4点の衣類スチーマーを遠藤さんに試していただきました。
\試したのはこちらの4点!/
①パナソニック|衣類スチーマー 360°スチーム 大容量タイプ NI-FS780
②東芝|コード付き衣類スチーマー ラクー La・Coo-S TAS-V6(H)
③ティファール|衣類スチーマー アクセススチームプラス DT8100J0
④コンエアージャパン|ガーメントスチーマーデュアルテックスチーム GS-88J
評価のポイントは下記のとおりです。
・シワはとれる?(ミトンを使用した場合)
・使いやすさ(小回りがきく、襟や袖にスチームをあてやすい)
・スチームの量
・軽さ
・タンクMAX・高温設定でお手入れできる洋服の枚数の目安(麻のブラウスの場合)
・持ちやすさ
①パナソニック|衣類スチーマー 360°スチーム 大容量タイプ NI-FS780
●特徴
360゜どんな角度で使っても安定してスチームが出るのがポイント。2WAYタイプでプレス仕上げもできます。高・中・低の3つのスチーム切り替えのほかに、瞬間4倍パワフルスチーム※1」でがんこなシワやニオイにも対応。腕への負担に配慮した低重心設計で、力のない女性にも使いやすい製品です。
※パワフルスチームは高温設定時に出るスチームのこと。
●DATA
参考販売価格:11,225円
サイズ:本体 約 幅8×高さ13×長さ16.5cm、収納時 約 幅9×高さ15×長さ17.5cm
質量:約690g(スタンド含まず)、約765g(スタンド:75g込み)
スチーム吹き出し時間:連続約10分
スチーム量:平均約11g/分
注水量:約115mL
立ち上がり時間:約19秒
\使ってみました/
遠藤 4つの製品のなかでで唯一、スチームのボタンを押したまま使うタイプでした。使い始めは「指が疲れるかも」と思いましたが、慣れてくると気にならなくなります。驚いたのはフリルのブラウスの仕上がり。ミトンをあてながらプレスをするとフリルがシャキッと立ち上りました。他の衣類スチーマーでも試してみましたが、フリルの仕上がりはパナソニックが一番きれいでしたね。ニットは短時間でふんわり仕上がります。
●評価
・シワはとれる?:綿・麻 ★★★/ニット ★★★
・使いやすさ:★★★
・スチームの量:★★★
・軽さ:★★★
・タンクMAX、高温設定でお手入れできる洋服の枚数の目安:2.5枚程度
・持ちやすさ:★★☆
②東芝|コード付き衣類スチーマー ラクー La・Coo-S TAS-V6(H)
●特徴
途中給水なしで約10分50秒*1の連続スチームで、給水の手間が省ける大容量水タンク120mlを搭載。スチームボタンを押し続ける必要がなく、約1分経過すると自動でスチームが止まります。120°までなら傾けても安定してスチームが出てきます。立ち上がり時間が4製品の中で一番早く、約8秒程度でした。
*1.中温設定(スチーム量約11g/分)の時
●DATA
参考販売価格:7,926円
サイズ:本体寸法(長さ×幅×高さ)約170×約70×約132mm 収納時寸法(長さ×幅×高さ)約180×約81×約162mm
質量:690kg ※本体 770kg ※収納時
スチーム吹き出し時間:約10分50秒
スチーム量:最大約15g/分
注水量:120mL
立ち上がり時間:約8秒(編集部で調査)
\使ってみました/
遠藤 使う前はスチームが1分程度で自動的に切れてしまうのは「短いかも」と思っていましたが、実際使ってみると1分でも広い範囲のしわ取りができました。パナソニック同様、こちらの製品も2WAYタイプで小回りの利くコンパクトさが便利ですし、軽量で使いやすいです。ニットのふんわり感は、パナソニックにやや劣りますが、全体的な仕上がりは問題ないと思います。
●評価
・シワはとれる?:綿・麻 ★★★/ニット ★★☆
・使いやすさ:★★★
・スチームの量:★★★
・軽さ:★★★
・タンクMAX、高温設定でお手入れできる洋服の枚数の目安:2.5枚程度
・持ちやすさ:★★★
③ティファール|衣類スチーマー アクセススチームプラス DT8100J0
●特徴
シワを取るだけでなく、ウイルス除去・除菌も可能。帰宅後の布製マスクのケアや、乳幼児の衣類の仕上げ、 肌に触れるのに洗濯が難しい洋服にも使えます。付属のアタッチメントブラシを使うことで、繊維の毛並みを整えながら風合いをリフレッシュできます。スチーム切り替えは、デリケートモードとターボモードのみ。
●DATA
参考販売価格:6,940円
サイズ:13.0×14.1×28.3㎝
質量:約1,220g(水タンクが空の時)
スチーム吹き出し時間:約9分(ターボモード時)
スチーム量:平均20g/分
注水量:185mL
立ち上がり時間:40秒
\使ってみました/
遠藤 ヘッドや持ち手が大きくて小回りが利きにくいですし、女性が使うには重いですね。サイズが大きいため、他の製品と比べて動かしづらさを感じます。広い面にスチームをかけるのには問題ないですが、繊細な動きができませんので襟、袖口、ボタンホールなど細かい部分のシワが取りにくいです。ニットのシワは取りやすく、ふんわりとした仕上がりになりました。ふんわり仕上げがお好みの方におすすめな衣類スチーマーだと思います。
●評価
・シワはとれる?:綿・麻 ★☆☆(1.5)/ニット ★★★
・使いやすさ:★★☆
・スチームの量:★★★
・軽さ:★☆☆
・タンクMAX、高温設定でお手入れできる洋服の枚数の目安:2.5枚程度
・持ちやすさ:★★☆
④コンエアージャパン|ガーメントスチーマーデュアルテックスチーム GS-88J
●特徴
1.8Lの大型タンク。1回給水でたくさんの衣類のお手入れができます。洋服のシワ取りだけでなく、毎日洗えないスーツや制服、ソファやラグ、カーテンの除菌やニオイ対策にも使えて便利。パンツのプレスがしやすい仕様になっている点もおすすめ。アイロンとしても使える2WAYタイプです。組み立ては簡単で、コンパクトに収納可能です。
・ニオイの軽減:アンモニア98.6%減、酢酸92.9%減
・除菌:大腸菌・黄色ブドウ球菌99.9%減
コンパクトに収納できます。
●DATA
参考販売価格:25,325円
サイズ:幅370×奥行270mm、使用時/高さ1,700mm(最大)、 収納時/高さ920mm
質量:約6kg
スチーム吹き出し時間:60分
スチーム量:最大約15g/分
注水量:1.8L
立ち上がり時間:90秒程度(編集部調査)
\使ってみました!/
遠藤 メーカーの公式なデータで見るとスチームの量は東芝の衣類スチーマーと同じですが、体感ではこの製品の方が4製品のなかで一番スチーム量が多いと感じました。仕上がりはミトンを使ってプレスしても、ふんわり仕上げな感じです。ヘッド部分はとても軽くて使いやすいですが、一番の難点は本体の大きさでしょうか…。タンクの容量が大きくて、一度にたくさんの洋服のお手入れをするのには便利ですね。
●評価
・シワはとれる?:綿・麻 ★☆☆(1.5)/ニット ★★★
・使いやすさ:★★☆
・スチームの量:★★★
・軽さ(ヘッドの部分のみ):★★★
・タンクMAX、高温設定でお手入れできる洋服の枚数の目安:たくさん
・持ちやすさ:★★★
【結果発表】プロが選んだおすすめの衣類スチーマーはこちら!
パナソニック|衣類スチーマー 360°スチーム 大容量タイプ NI-FS780
遠藤 麻のブラウスのシワがしっかり取れましたし、ニットは一番ふんわりとした仕上がりでした。フリルのピシッとした仕上がりもきれいで、使いやすく軽量、そして2WAY。トータルでみてパナソニックの衣類スチーマーが、便利で一番使いやすいと思いました。
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【編集部の感想】
衣類のしわ取りについてだけみると、4製品ともコツさえ押さえればきれいに取れますし大きな差はありません。そうなると大切なのは、使いやすさ! 実際に買うとしたら、小回りが利いて軽量なタイプを選んだほうが長く使い続けられるなと感じました。
※記事の情報は2022年6月21日時点のものです。
※参考価格は全て税込みです。
※製品の評価は個人の感想です。
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