お口の菌活。「ロイテリ菌」でマスク臭、花粉症、肌あれ対策を!
からだの不調は口から始まるのをご存じですか? マスク口臭、花粉症、便秘、疲れ、肌あれなど、オーラルケアから腸活まで全身ケアができる「ロイテリ菌」。その効果や正しい摂り方について歯科衛生士の丸橋理沙さんにうかがいました。
この方にお聞きしました
丸橋理沙さん
歯科衛生士。20代半ばでフリーランスへ転身。歯科企業からのデンタルショーやセミナー、歯科器具の開発、全国の歯科医院でのセミナーや学会での講演など幅広く活躍中。著書『食べる美容液 歯科衛生士が教えるロイテリ菌レシピと至福の歯磨き』(クインテッセンス出版株式会社) オフィシャルサイト:https://www.rdh-risa.com/
マスク口臭の主な原因は、歯周病菌や虫歯菌の腐敗です。
--マスク生活が続いて、マスク内の口臭が気になる人が増えています。
丸橋 朝・昼・晩、食後にしっかりと歯磨きをしていたとしても、ご自身で取り切れない汚れがあります。マスク内の口臭は、歯周病菌や虫歯菌が食べ物の残りかすとともに腐敗し、悪臭を発生させることが主な原因と言われています。歯医者さんで定期的にお口のそうじをして、常に口腔内を清潔に保っておくことが大切ですが、「歯医者に行く時間がない」という方もいらっしゃるでしょう。その場合は、口内環境を整える働きのあるロイテリ菌を摂ること口臭の予防・改善ができます。
歯周病は妊娠・出産にも影響します。
--歯周病は高齢者の病気だと思っていました。
丸橋 20代・30代から発症する人が右肩上がりに増えます。大学進学や就職をきっかけに独り暮らしを始め、生活習慣や食べるものが変わってくると虫歯や歯周病にかかりやすくなるんです。疲れて帰ってきて、歯磨きが面倒で歯を磨かずに寝てしまえば、口の中で雑菌が繁殖します。寝ている間の雑菌の繁殖率は4倍~16倍と言われていて、その菌を放置したまま寝ていたら病気になってしまうのは必然ですよね。
口の中は第一の消化器官であり、細菌感染は口から始まります。女性の場合、妊婦さんが歯周病にかかっていると低体重児が生まれやすく、早産になりやすい。歯周病菌が血中にのってしまうと、脳梗塞、心筋梗塞、リュウマチ、骨粗しょう症にもなりやすくなります。歯周病菌はピロリ菌との相性が良いため、歯周病にかかっている人は健康な人よりもピロリ菌が多く生息し、胃がんになる確率が高まるともいわれています。
--歯周病は、怖い病気なんですね。
丸橋 歯科医が患者さんに「寝る前に歯を磨いてください」とアドバイスする理由は、そこにあるんです。朝や夜に関わらずその人が長く寝るタイミングの前に歯を磨くことがすごく大事。それを習慣づけるのが難しかったり、歯磨きが苦手という人にとって、ロイテリ菌を使ったオーラルケアはすごく有効だと思います。
ロイテリ菌は生きたまま腸まで届くスーパー乳酸菌!
--ロイテリ菌はどんな菌なのでしょうか?
丸橋 ロイテリ菌は母乳由来の乳酸菌で、口腔内や腸内での定着率に優れ、生きたまま腸まで届く善玉菌です。
人体には100兆個以上の常在菌が存在し、善玉菌、悪玉菌、日和見菌という3つの菌で構成されています。善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割が理想的なバランスですが、日和見菌は変異する特性があり、虫歯菌や歯周病菌などが増えると悪玉菌に変わってしまいます。口と腸はつながっていますから、食べ物や唾液とともに口の中の悪玉菌が体内にたくさん流れていけば、必然的に腸内環境が乱れ、疲れやすくなったり肌あれの原因にもなります。
--抗生剤など、薬で悪玉菌を殺菌することもできるのでは?
丸橋 日本は保険制度があるので、抗生剤や薬に頼りがちですが、抗生物質は悪玉菌だけでなく善玉菌も殺してしまいます。これは世界的な社会問題になっていて、日本でも2050年には薬剤耐性菌*で死亡する人の方が悪性腫瘍(ガン)で死亡する人よりも増えるというデータがあり、厚生労働省では2017年より抗生剤使用の抑制を呼びかけています。
抗生剤に頼ることなく、口内から生きている善玉菌を摂り入れ、安心・安全に病気の予防や改善をしていく細菌療法を「バクテリアセラピー」といい、バクテリアセラピーにおいて有効な善玉菌のひとつがロイテリ菌です。
*薬剤耐性菌とは
抗菌薬(抗生物質)が効かない薬剤耐性を持つ細菌のこと。コロナウィルスの株が次々と変異していくように、微生物は様々な手段を使って、薬から逃げ延びようとします。微生物に対して薬が効かなくなることを「薬剤耐性」と呼びます。
--ロイテリ菌は「スーパー乳酸菌」とも呼ばれていますが、その理由は?
丸橋 ロイテリ菌は女性の母乳から発見された乳酸菌で、お母さんの母乳から赤ちゃんに受け継がれます。ヒト由来の乳酸菌ですから、動物由来や植物由来の乳酸菌と比べて体内に定着しやすいという特長があります。
口から乳酸菌を摂ろうとするときの壁となるのが胃酸です。ほとんどの乳酸菌は胃酸で溶けてしまいますが、ロイテリ菌は胃酸に強く、生きて腸まで届くため体内の免疫システムに働きかけ、からだ全体を丈夫にしてくれます。
乳酸菌のなかには善玉菌の働きを邪魔して悪玉菌を増やすものもありますが、ロイテリ菌は悪玉菌を減らして善玉菌を増やす働きがあるという点が「スーパー乳酸菌」と呼ばれる所以です。
--赤ちゃんから大人へと成長するのに伴い、体内のロイテリ菌は増えるのでしょうか?
丸橋 母乳から出る乳酸菌ですから、お母さんから赤ちゃんに受け継がれているはずですが、ロイテリ菌の餌となる発酵食品や食物繊維の摂取量が少なかったり、ストレスなどで常在菌のバランスが崩れれば、ロイテリ菌の保有量は減っていきます。また、帝王切開で生まれた人は産道から生まれた人より、ロイテリ菌が少ないと言われています。
赤ちゃんの時に十分にロイテリ菌が受け取れていなかったり、大人になってからロイテリ菌が減ったとしても心配はありません。ロイテリ菌は増やすことのできる乳酸菌ですから、口から摂り入れていけば良いのです。
ロイテリ菌の効果と正しい摂り方
ロイテリ菌の効果や効果的な摂取方法について、丸橋さんに教えていただきました。
Q1.ロイテリ菌にはどんな効果がありますか?
Q2.ロイテリ菌はどうやって摂取したらよいですか?
Q3.いつ、どのくらい摂取したらよいですか?
Q4.ロイテリ菌はどのくらいの期間摂った方が良いのでしょうか?
Q5.症状が改善したと思ったら、ロイテリ菌の摂取を一旦やめても問題ないですか?
Q6.ロイテリ菌に美容効果はありますか?
Q1.ロイテリ菌にはどんな効果がありますか?
丸橋 ぜひ皆さんにお伝えしたいのが、ロイテリ菌に限らず全ての乳酸菌には必ず「株」があるということ。株によって作用が変わるため、製品パッケージに記載された「株」の番号を確認して、改善したい症状に効くロイテリ菌を選んでください。
●17938株の効果
便通を良くする、虫歯予防、赤ちゃんの夜泣きを止める、免疫機能を高める、腸内環境を整えるなど。
●5289株の効果
主に口腔ケアに有効。歯周病予防・改善、花粉症予防、抗炎症作用など。
※花粉症予防の場合、発症が想定される2か月前くらいから摂り始めると良い。
●6475株
胃に作用する。ピロリ菌の抑制、骨粗しょう症の改善・予防、逆流性食道炎の改善など。
Q2.ロイテリ菌はどうやって摂取したらよいですか?
丸橋 ロイテリ菌は継続して摂らないと定着しませんので、サプリメントで摂るのが良いと思います。Amazonなどのネット通販や薬局で購入できますが、購入する際は「生菌(生きた菌)」であるかを確認してください。「生菌」が使われているものには、パッケージの裏などに「生きた乳酸菌を使用」または「加熱処理をしていない」と記載されています。「加熱処理」の記載があったらそれは「死菌」です。「死菌」でも害はありませんが、体内で善玉菌を増やすことはできません。
丸橋 善玉菌を増やすためには、ロイテリ菌とともに善玉菌の餌となる食品を摂ることも必要です。善玉菌の餌となる食品は、野菜、きのこ、果物などの食物繊維やビタミン群です。野菜が苦手な方はオリゴ糖でも結構です。
Q3.いつ、どのくらい摂取したらよいですか?
丸橋 毎日1錠~2錠、朝または寝る前になめながら食べます。サプリメントは食品ですから、1日に何個食べても大丈夫です。私の場合、疲れがたまっている時は3錠~4錠食べています。
ロイテリ菌は熱に弱く、37℃を超えると菌が死んでしまうため、温かい飲み物と一緒に摂るのは避けてください。
Q4.ロイテリ菌はどのくらいの期間摂った方が良いのでしょうか?
丸橋 ロイテリ菌を定着させるためには、21日間継続して摂る必要があります。効果が持続する期間は、食生活や生活習慣などで変わりますが、定着後2~3週間経過して菌の数が減ったという報告もありますので、ある程度の期間は摂り続けていただいた方が良いと思います。
Q5.症状が改善したと思ったら、ロイテリ菌の摂取を一旦やめても問題ないですか?
丸橋 はい、大丈夫です。
Q6.ロイテリ菌に美容効果はありますか?
丸橋 腸内環境が悪くなると、肌トラブルが起こりますよね。美容のためには、無駄なものを腸にためないことが大切です。日本人は腸が長く、便秘になりやすいですからロイテリ菌の力を借りて、不要な物をスムーズに排泄できれば、肌あれ防止につながると思います。
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女性にとって口内環境を整えることは、とても大切なことを知りました。妊娠、出産という大事なライフステージにも大きく影響する「ロイテリ菌」での菌活。さっそく初めてみませんか?
※記事の情報は2022年1月25日時点のものです。
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