「バクチオール」の効果とは? 成分分析のプロが解説&おすすめ商品も紹介
肌のターンオーバーを促進し、シミやシワの改善効果が得られるとして注目されている美容成分・バクチオール。刺激が少なく、敏感肌の人でも使いやすいのも魅力です。そんなバクチオールの効果や選び方のポイント、おすすめ商品などについて、コスメ成分解析のプロ・ありすさんに教えていただきました!
教えていただきました
コスメコンシェルジュ
ありす@コスメ成分解析 さん
インスタグラムやブログで美容情報やコスメのレビューを発信。化粧品1点1点の全成分を読み解き、成分視点で選んだおすすめコスメや比較レビューを公開している。日本化粧品検定1級。日本化粧品検定協会会員。インスタグラム
バクチオールって、どんな成分?
ありす 「第2のレチノール」や「次世代レチノール」などと言われていますが、バクチオールとレチノールはまったくの別物です。レチノールはビタミンAの一種ですが、バクチオールはビタミンAではなく、マメ科の植物「オランダビユ(バブチ)」から抽出される植物エキスです。レチノールと同じような効果が確認されていることから、レチノールの代替品として注目されていますが、「似た効果を持っている」というだけで、実際には違う物質です。
バクチオールとレチノールの使用上の違いは?
ありす レチノールを使用すると、「A反応」と言われる一時的な赤みや皮むけ、かゆみなどが起き、肌が荒れることがあります。肌荒れの原因がA反応の場合、使用頻度を調整したり、肌荒れを防ぐような製品と併用したりして様子を見ながら使い続けることができますが、レチノールそのものが肌に合わず炎症する人もいます。「A反応」か「レチノールが肌に合わない」のか、その判断は難しく皮膚専門科医の診断が必要です。
バクチオールは、レチノールのような「刺激性」や「紫外線による分解の可能性」が低く、A反応を起こすことはほとんどありません。レチノールに比べると効果はマイルドですが、刺激のリスクが少ないため敏感肌の人でも使いやすい成分です。
バクチオールの美容効果は?
ありす レチノールと同じように、肌のターンオーバー促進やシワ改善効果が確認されています。肌のターンオーバーを整えることで、シミのもととなるメラニンを排出できるため、透明感アップの効果もあります。
また、バクチオールの大きな特徴の一つに、強い抗酸化力を持っていることが挙げられます。この抗酸化力にはレチノールの酸化や紫外線による分解を防いで、成分を安定化させる効果もあるため、バクチオールはレチノールの代替成分としてだけでなくレチノールと一緒に配合するメリットも大きい成分と言えます。
バクチオールの効果を実感するまでどのくらいかかる?
ありす 肌のターンオーバーの期間を考えたら、最低1ヶ月は様子を見てほしいですね。1~2ヶ月間使ってみて効果を感じないのであれば、配合濃度が高い製品に替えてみた方がよいかもしれません。または、同じくらいの濃度で、違うメーカーに替えてみるという方法もあると思います。
バクチオールコスメはどこで買える?
ありす ドラッグストアで購入できる製品もありますが、濃度が高いバクチオールコスメは海外製品が多く、現段階ではオンラインのみの取り扱いがほとんど。高濃度の商品を使ってみたい場合は、オンラインショップでの購入がおすすめです。
バクチオールコスメを選ぶポイントは?
ここからは、ありすさんに教えていただいた〈バクチオールコスメを選ぶ際のポイント〉をご紹介します。
バクチオールコスメの選び方①|濃度をチェック!
ありす スキンケア製品の評価には、肌への浸透性が高い、肌への負担・刺激が少ない、他の成分との組み合わせ、などさまざまな指標があります。濃度がすべてではないものの、製品を比較するうえで数値化されたデータは一番わかりやすい指標です。
化粧品の広告には、その成分が微量しか含まれていなくても△△配合と記載できます。バクチオールの効果を期待したいのなら、広告やパッケージに濃度まで記載されているものを選ぶとよいでしょう。
ただし、濃度が低い製品がダメということではありません。濃度の記載がないから効果が期待できないのではなく、あくまで「どこまで効果を求めるか」という基準の一つとして捉えてください。微量でもバクチオールが入っていれば、スキンケアをする上ではプラス要素になります。
ちなみに、美容液やクリームといった製品は比較的高濃度になるので、選ぶ際の参考にしていただければと思います。
バクチオールコスメの選び方②|2,000円以上のものがおすすめ
ありす さまざまな価格帯の商品がありますが、プチプラすぎると濃度が低い可能性が高まります。バクチオールをしっかり取り入れたいのであれば、2,000~3,000円以上のコスメを選んだ方がよいと思います。
バクチオールコスメの選び方③|レチノール配合で相乗効果を狙う
ありす 上で解説した通り、バクチオールはレチノールの効果を高めてくれる成分でもあります。レチノールに多少慣れていて※、バクチオールも試してみたい方は、レチノールとバクチオールが入っているコスメもおすすめです。
レチノールは成分の特性上、クリーム状の製品に含まれていることが多いため、そういった商品の中から探すと見つかりやすいでしょう。
※レチノールに慣れていない場合、A反応が出る可能性があります。
ありすさんに、バクチオールコスメを実際に使っていただきました!
配合成分を基準に、バクチオールコスメをピックアップ。その使用感をありすさんにレポートしていただきました。
\高濃度のバクチオールを求めるならこちら/
・トリロジー|バクチ+ブースター トリートメント
・インクリット|バクチフィトセラム
\レチノールとの相乗効果を狙うならこちら/
・キソ|スーパーリンクルクリームVA
・マモンド|バクチオール レチノールクリーム
\ドラッグストアで買えるプチプラアイテムはこちら/
・リッツ|モイスト ローションC
・ルルルン|ハイドラ V マスク 7枚入り
バクチオールコスメ①|トリロジー/バクチ+ブースター トリートメント(オイル美容液)
\高濃度4%配合。肌にすっとなじんで、ふわっと柔らかくしてくれる/
ありす バクチオールの効果をしっかり実感したい方にイチオシのアイテム。多くて2%程度の配合濃度のものが多いバクチオールコスメですが、こちらはその2倍の4%も配合されています。植物オイルがベースになって、使用感は完全にオイル。メドウフォーム種子油やアーモンド油などの油脂がベースだから、肌にすっと馴染んで、ふわっと柔らかくしてくれます。 ただし、独特な匂いとオイリー感あるため、苦手な方はご注意ください。
■DATA
バクチオール:4%
レチノール:なし
価格:5,060円
容量:15ml
原産国:ニュージーランド
バクチオールコスメ②|インクリット/バクチフィトセラム(オイル美容液)
\しっかり2%配合。お手頃価格でお試しコスメとして最適!/
ありす こちらも、バクチオールの効果を実感したい方に。①の商品よりもバクチオールの配合濃度は低いのですが、ベースがスクワランオイルなので匂いや使用感のクセが少なく、どなたでも使いやすい仕様です。価格もお手頃なので、バクチオールコスメに悩んだらこちらがおすすめ!
■DATA
バクチオール:2%
レチノール:なし
価格:1,280円
容量:15ml
原産国:日本
バクチオールコスメ③|キソ/スーパーリンクルクリームVA(クリーム)
レチノールとの相乗効果を期待できて、しっとり感も優秀!
ありす 5種類のレチノール+バクチオールで、攻めのケアができるアイテム。ぴたっと密着して膜を張る濃密なクリームで、スキンケアの仕上げにもおすすめです。 塗った直後から翌朝までのしっとり感も優秀でした。
■DATA
バクチオール:0.5%
レチノール:純粋レチノール0.1%
価格:2,323円
容量:50g
原産国:日本
バクチオールコスメ④|マモンド/バクチオール レチノールクリーム(クリーム)
配合濃度は低めでも、使用感や肌の状態は一番好き!
ありす バクチオールとレチノールの濃度はあまり高くありませんが、それでもおすすめしたい理由は、使用感と仕上がり。デパートコスメのような心地よいテクスチャのクリームで、塗った直後からもちふわ肌に。使用感や、使用直後・翌朝の肌の状態で選ぶなら、個人的には一番好みです。
■DATA
バクチオール:0.01%
レチノール:配合
価格:3,740円
容量:60ml
原産国:韓国
バクチオールコスメ⑤|リッツ/モイスト ローションC(化粧水)
ドラッグストアで購入可能! バクチオール+2大美肌成分配合
ありす こちらは、ビタミンC誘導体やセラミドなど、バクチオール以外の成分も手軽に取り入れられる化粧水。テクスチャは少しとろみがありますが、つけ心地はサラサラ。無香料でクセが少なく、好みを問わずに使えそうなアイテムです。
■DATA
バクチオール:濃度不明
レチノール:なし
価格:1,496円
容量:190ml
原産国:日本
バクチオールコスメ⑥|ルルルン/ハイドラ V マスク 7枚入り(フェイスマスク)
バクチオール+安定型レチノール配合! 時短ケアアイテムとしておすすめ
ありす プチプラですが、想像以上によかった! 洗顔後に5分貼っておくだけで、丁寧にスキンケアしたかのようなしっとり感が得られます。値段から考えるとバクチオールは高濃度ではなさそうですが、時短ケアとしてはかなり優秀なアイテムです。
■DATA
バクチオール:濃度不明
レチノール:配合
価格:1,496円
容量:7枚入り
原産国:日本
バクチオールはじっくりケアが肝心!
季節の変わり目でかゆみが出やすい方や敏感肌の方。レチノールのA反応が怖くて、攻めのケアを諦めていた方。そんな方たちにとって、バクチオールはエイジングケアの救世主です。
バクチオールの効果は、レチノールに比べて緩やかなため、数日間で「効果がない」と使うのをやめてしまわずに、1ヶ月以上かけてじっくりとケアを続けることが大事。
今大注目の成分「バクチオール」、あなたも試してみませんか?
※掲載商品の価格は税込みです。
※製品の感想は個人の見解です。
※記事の情報は2023年8月4日時点のものです。
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