ビタミンAの効果とは? 肌への影響や豊富な食べ物について、管理栄養士が教えます!

最近、スキンケア成分としても話題の「ビタミンA」。皮膚のターンオーバー促進など、美肌に役立つ栄養素として注目を集めています。そんなビタミンAは、もちろん食べ物からも摂取可能! この記事では、経口摂取した場合のビタミンAの働きや効率的な摂取方法、豊富に含まれている食材などについて、管理栄養士の森由香子先生に解説していただきました。

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ビタミンAは、美肌に役立つ注目の栄養成分!

ビタミンにはさまざまな種類があり、どれも健康維持に欠かせない栄養素です。その中でも、最近化粧品の成分としてトレンドになっているのが「ビタミンA」です。

近年の化粧品開発のめざましい発展により、コラーゲンやヒアルロン酸の生成、皮膚のターンオーバー促進、皮脂分泌のコントロールなどが期待できると話題になっています。

もちろん、ビタミンAは食品にも含まれていることはどなたでもご存じでしょう。今回は、そんなビタミンAを経口摂取した場合の本来の働きや、性質などについて解説したいと思います。

ビタミンAの働き、効果とは?

スキンケアイメージ

ビタミンAの働きは、大きく分けて二つあります。

一つは、目の健康維持です。ビタミンAは目に必要な物質の構成成分になっているため、不足すると暗いところで視力が低下する夜盲症になります。

そしてもう一つは、今注目を浴びている皮膚や粘膜の細胞形成です。

ビタミンAは、細胞の機能維持や成長促進など全身のいたるところで働いており、皮膚や粘膜をつくっている細胞の形成やはたらきに欠かせない成分になっています。不足すると、皮膚や粘膜が乾燥しやすくなり、感染症になる可能性が高まると考えられています。

肌は内臓の鏡といわれているように、体内の栄養状態を反映するのが皮膚や粘膜です。ビタミンAは、体の機能を正常に保つために細胞レベルで重要な働きをしているのです。

ビタミンAを過剰摂取するとどうなる?

このような素晴らしいはたらきがわかると、お肌のためにたくさん摂り入れたくなるかもしれません。しかしその一方で、摂りすぎによるビタミンA過剰症が懸念されています。

ビタミンA過剰症の症状としては、頭痛、脱毛、筋肉痛などが挙げられています。さらに、妊娠中に摂りすぎれば、胎児に奇形が起こることがあるという報告もあります。ですので、特にサプリメントなどを利用する場合は、用法、用量を必ず守りましょう。

ビタミンAには動物性と植物性がある

ビタミンA食材

ビタミンAには、レチノール、レチナールなどといった動物性食品に含まれるものと、β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンなどといった植物性食品に含まれているものがあります。

β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンは「プロビタミンA」と呼ばれるビタミンAの前駆体で、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。

ビタミンAが豊富な食べ物は?

次に、ビタミンAはどのような食品に含まれているかを見ていきましょう。

ビタミンAが豊富に含まれる食材
食品名 重量 ビタミンA(μgRAE)
ウナギ 100g(1串) 1500
銀ダラ 100g(切り身1切れ) 1200
ホタルイカ 25g(3ばい) 375
アンコウの肝 30g(ぶつ切り1切れ) 2490
鶏レバー 30g(焼き鳥1本) 4200
人参(皮付き) 80g(1/2本) 576
モロヘイヤ 60g(1/4束) 504
西洋カボチャ 80g(1/8個) 264
ほうれんそう 60g(1/4束) 210
春菊 50g(1/4束) 190
小松菜 80g(1/4束) 208
大根の葉 50g(1/2本分) 165
出典:日本食品成分表(八訂)


上記の表からもわかる通り、動物性では、ウナギ、銀ダラ、ホタルイカ、アンコウの肝などの魚介類やレバー、植物性では、人参、モロヘイヤ、西洋カボチャ、ほうれんそう、春菊、小松菜、大根の葉などの緑黄色野菜に豊富に含まれています。

また余談ですが、野菜はカットした断面の色が濃い「緑黄色野菜」と色が薄い「淡色野菜」に分けられます。この違いはプロビタミンAの一つであるβ-カロテン含有量の差にあり、100g中に600μg以上を含むものが緑黄色野菜とされています。

ただし例外もあり、トマトやピーマン、サヤインゲンなどは、基準量を満たしてはいませんが、1食あたりで食べる量や頻度が多いため、緑黄色野菜として分類されています。

プロビタミンAの一種、「β-カロテン」を効率よく摂取するには?

スムージー

ビタミンAの前駆体「プロビタミンA」の一つであるβ-カロテンには、吸収率が低いという弱点があります。そのため、食品中のβ-カロテンを余すところなく摂取する場合は食べ方や調理法に工夫が必要です。

例えば、緑黄色野菜を食べるときは、β-カロテンが脂溶性であることを利用して、油を使って調理したり、牛乳、肉類などの脂質が含まれる食品や、オイル入りドレッシングを使ったりするのがおすすめです。

さらに近年になって、β-カロテンはある食品との組み合わせで吸収率がアップすることがわかってきました。それは、ヨーグルトです。ヨーグルトに含まれるEPS(Exopolysaccharide)エキソ多糖類が、β-カロテンの吸収を助けることがわかったのです。

たとえばスムージーを作るときにヨーグルトを加えたり、野菜を食べるときにヨーグルトも一緒に食べるようにすると、β-カロテンを効率よく摂取することができますよ。

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体全体に働き、皮膚や粘膜に必要不可欠なビタミンA。日々の生活に摂り入れて、健康な肌づくりに役立ててください。

※記事の情報は2023年4月14日時点のものです。

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