バリスタ直伝。コンビニのドリップパックコーヒーをおいしく淹れる方法

－自宅でおいしいコーヒーを飲みたいと思い、引き出物などでもらったドリップパックコーヒーを自分で淹れてみるんですが、専門店で出てくるコーヒーのようにおいしく淹れられなくて…。

柳：おいしく淹れるためには、湯量のコントロールがとても重要なんですよ。

－湯量のコントロール…。となると、やかんやポットから直接お湯を注ぐのはNGなんですか？

柳：やかんやポットから直接お湯を注ぐと、ドバっとお湯が出てしまいますよね。そうするとコーヒーを抽出する時間があっという間に終わってしまいます。コーヒーの粉がお湯に浸る時間が短いと、おいしい成分が出てこなうちにお湯が流れ出てしまうので、味が薄くなってしまうんです。コンビニのドリップパックコーヒーは、専門店のドリップコーヒーより味が薄めなので、注ぎ口の細い「ケトル」などを使って、2分程度時間をかけて、ゆっくりとお湯を注ぎ味をしっかり出す必要があります。

－自宅に「ケトル」がない人もいると思うんですが、代用できる道具はありますか？

柳：私も自宅でコーヒーを淹れるときにケトルを使わず、ラテアート用の注ぎ口が細くなっているミルクピッチャーを使っています。ご自宅にミルクピッチャーはないでしょうから、その場合は100円ショップなどで売っている耐熱性の計量カップでも大丈夫です。下記の写真のように、注ぎ口が細く湯量の調節がしやすいものを選んでください。


 

－湯量のコントロール以外に大切なポイントはありますか？

柳：ドリップパックコーヒーは、最初に粉を蒸らす時間が必要。しっかり蒸らしておかないと、コーヒーの成分がしっかり出ません。20ｇ～30ｇのお湯を注いで30秒くらい待ってから、残りのお湯をゆっくり注ぐことで、成分の出方が変わってきます。

－粉を蒸らすための湯量20ｇ～30ｇはどうやって測ったらよいのでしょう？

柳：プロは、はかりの上にカップを置いて、量を測りをお湯を注ぎます。よりおいしいコーヒーを淹れるためには、調理用のデジタルスケールなどで湯量を測りながら淹れることをおすすめします。

－最適なお湯の総量はどのくらいなのでしょうか？

柳：製品のパッケージに記載してある、お湯の量を守ってください。セブン－イレブンのドリップパックコーヒーの場合は200ml、ファミリーマートとローソンは140mlが最適な湯量です。



柳：苦みを強くするなら湯の量を減らし、さっぱり味がお好みならお湯の量を増やしてください。お湯の量はそのままで苦みを強くしたい場合は、注ぐ時間を少し伸ばして浸透時間を長くします。

ただし、ゆっくりすぎるとおいしくない成分まで出てしまいます。湯量やお湯を注ぐ時間を色々試しながら、好きな味わいを探してみるのもコーヒーの楽しみ方のひとつですね。

－お湯の適温は何℃ですか？ やかんでお湯を沸かしてからケトルや計量カップに移し変えると温度が下がりますよね。

柳：適温は90℃程度です。ケトルや計量カップが冷たい状態で、やかんからお湯を移すと10℃程度下がるためちょうど良い温度になります。ただし、70℃～80℃程度まで湯温が下がってしまうと、コーヒーの成分が出づらくなり、味が薄くなってしまいます。

－コーヒーカップのサイズは？ 素材や厚みなど、こだわった方が良いですか？

柳：各社が推奨している湯量が入るサイズなら、素材や厚みはどんなタイプでも問題ありません。大切なのは、カップの高さです。ドリップパックがお湯に浸っている時間が長くなるなるのを避けたいので、背が高めのタイプがおすすめです。

－編集部にあったカップで調べてみました。

①容量は200ml以上、高さもある。
②高さはあるが、容量が少なく140mlのお湯でもドリップパックにお湯がすぐ浸ってしまう。ドリップパックコーヒー用には不向き。
③高さがあり、140mlまでならOK。
④容量、高さともにNG。
⑤高さがあり、140mlまでならOK。

－水はどんなものを使えばよいでしょうか？

柳：軟水が良いですね。水自体にクセがなく、やわらかい口あたりでコーヒー本来の甘味、酸味、風味が楽しめて飲みやすくなります。水道水も軟水です。


市販のミネラルウォーターを使用する場合は、軟水のものを選びましょう。

【ドリップパックコーヒーを淹れる道具一式】

●ドリップパックコーヒー 1袋
●マグカップ
●ケトル(耐熱性の計量カップでもOK)
●タイマー(スマホでOK)
●キッチンスケール
※水は軟水を用意。
※マグカップは事前にあたためておくとお湯の温度が下がりにくい。
※今回はキッチンスケールを使用せずにコーヒーを淹れてみました。

【動画でチェック！】ドリップパックコーヒーの基本的な淹れ方

柳さんにコンビニ各社のドリップパックコーヒーを試飲していただき、味の特徴とそれぞれに合う食べ物(フードペアリング)について、教えていただきました。

－コンビニ各社のドリップパックコーヒー、味の印象を教えてください。

柳：正直、香りは単調なイメージです。コーヒー専門店のドリップパックコーヒーだと産地の特性が出る花や果物の香りなどがしますが、そのような特徴は一切ありません。各社ともに「苦い」か「苦くないか」という点にフォーカスしているようです。

－では、具体的に教えていただきましょう。

●セブン－イレブン｜７プレミアム　ドリップコーヒー10Ｐ(257円／写真左)

●ローソン｜深いコクのドリップコーヒー 10P(255円／写真中央)

●ファミリーマート｜ドリップコーヒー　オリジナルブレンド(255円／写真右)

相性の良い食べ物と一緒に飲むと、コーヒーは格段においしくなります。コーヒーに合う食べ物といえば、チョコレートやクッキー、ドーナツなどが定番ですが、コンビニのドリップパックコーヒーを飲むのだから、コンビニで調達できる食べ物で最高のフードペアリングを見つけたい！ ということで、今回、コンビニで購入できる食べ物をいろいろ買い揃え、柳さんに試食していただきました。

合うと思っていた食べ物がコーヒーの味と喧嘩してしまったり、思いもよらなかった食べ物との相性が良かったり…。その結果をご紹介します。

●セブン－イレブンで購入
・セブンプレミアム どらやき 167円
・富山のしろえびせんべい 182円
・フルーツサラダヨーグルト 167円
・バナー香るひとくちミルフィーユ
・キットカット 麦の恵みの全粒粉ビスケット 179円
・クロワッサン ベーコン＆クリームチーズ 320円

●ローソンで購入
・ドライフルーツ＆ナッツ 346円
・プレミアムロールケーキ 150円
・たらみ ごろっとミックス194円 ※ゼリー
・ボーノ 切り出し生チーズ 106円
・QBB プレミアム ベビーチーズ ゴルゴンゾーラ入り 167円
・QBB 居酒屋ベビー 燻製カマンベール 167円
・マカロン(あまおうイチゴ＆ショコラ) 230円
・トッポ ビター味 162円

●ファミリーマートで購入
・シャキシャキレタスサンド 260円
・焼きそばドッグ 150円
・コロッケ＆たまごドッグ 138円
・チップスターうすしお 116円
・ハッピーターン 192円

＼結果発表！／

●セブン-イレブンのドリップパックコーヒー×フードペアリングは？

●ローソンのドリップパックコーヒー×フードペアリングは？

●ファミリーマートのドリップパックコーヒー×フードペアリングは？

【総評】
柳：色々食べ比べてみて、明らかにコーヒーとの「相性が悪い！」と思ったのはフルーツゼリーだけでした。サンドイッチは「ペアリングの定番」と思っていたのですが、チーズとレタスが入ったサンドイッチは、どのコーヒーとも相性がそれほど良くなかったのは意外な発見でした。

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カフェで飲むよりコスパが高い、コンビニのドリップパックコーヒー。淹れたてのおいしいコーヒーを自宅で飲めたら最高ですよね。今回ご紹介した、ドリップパックコーヒーとグルメはすべてコンビニで手に入ります。

皆さんも、ご自宅でお試しください！



※記事の情報は2021年7月6日時点のものです。

※掲載価格はすべて税込み金額です。
※掲載商品は店頭在庫の状況や発売エリアが限定されている場合があり、店頭にない可能性もあります。
※味の評価は個人の見解です。