【間食ダイエット】おやつを食べて10日で-1kg!? 3ルールで健康的にやせる!
1月に文藝春秋から刊行された『間食ダイエット』の著者で、これまでに3000人以上の食事指導を行なってきた管理栄養士の森由香子さんにインタビュー。過去にもベストセラー本を送り出した著者が逆転の発想で考案したという「我慢せずに健康的にやせるダイエット法」について、お聞きしました。
この方にお聞きしました
森 由香子(もり ゆかこ)さん
管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士。東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱している。「老けない人は何を食べているのか」「病気にならない人は何を食べているのか」「体にいい『食べ合わせ』」「太らない人の賢い食べ方」「老けない人の献立レシピ」など著書多数。
間食はむしろ摂ったほうがよい!? その理由は?
――「間食=ダイエット中は我慢」というイメージがありますが、本の表紙には「おやつを食べてやせ体質に」とありますね。
森:確かにこれまでは「ダイエットをしているときは間食を止めましょう」という考え方が一般的でした。でも、そういう我慢が必要なダイエットってあまり長くは続かないし、頑張って一時的にやせたとしても結局リバウンドしてしまうことが多いですよね。
だったら、間食をうまく利用すれば良いのでは?と考えたんです。この「間食ダイエット」は、きちんと間食をすることで無理なく3度の食事量を抑えつつ、ダイエットしていきましょうという考え方です。
――間食してもいいとは、ダイエッターには朗報だと思います。
森:間食してもいいというか、むしろ「間食したほうがいい」です。間食と3度の食事により、一日に摂る食品の種類が増えますし、いろんな種類の食品を摂ったほうがエネルギー消費量が上がるというデータもあります。私自身、間食は良くしていますよ!
――そもそも、なぜ「間食」に着目したんですか?
森:普段私は管理栄養士としてクリニックで患者さんに食事指導を行っているんですが、お話しを聞いていると「やせない」といってお悩みの方は、おやつの選び方や食べ方を間違えているケースがよくあります。
本来なら間食を適度に摂ることで空腹による食べ過ぎを防ぐことができますし、食後血糖値の上昇も緩やかになったりと、いろいろ体にプラスに働くことがあります。ですので、正しい間食法をお伝えしたいと考えました。
――正しく間食をすることで、ダイエット以外にも良いことがあるんですか?
森:本の中では食事の時間や間食を摂るべきタイミングなども解説していますが、そういったルールを守ることで自然と生活リズムが整っていきます。それにより免疫力が上がったり、生活習慣病の予防にもつながると思いますね。
それから「新型栄養失調」という言葉もあるように、3度の食事を摂っていても食べるものが偏っていたら、カロリーは十分なのに特定の栄養素が不足しているという状態に陥ります。忙しい現代人はつい栄養バランスが乱れがちで、新型栄養失調のリスクを抱えているんです。
なかでもビタミンとカルシウムは日本人に不足しがちな栄養素と言われていますが、間食をうまく利用してそれらの栄養素を積極的に摂ることで、栄養バランスも整っていくと思います。
間食ダイエットを成功に導く3つのルール
――「間食ダイエット」とはいえ、何でも食べていいわけではないんですよね?
森:もちろん。好きなお菓子を好きなだけ食べてやせる、というわけではありません(笑)。一日の中で必要な栄養を食事と間食できちんと摂りながら、健康的に減量するのが目的ですので。
間食ダイエットでは午前と午後の2回の間食タイムを設けていますが、午前の間食ではビタミンや食物繊維を含んだフルーツを、午後の時間帯はカルシウムの吸収率が高まるので、乳製品をまず初めに摂ることを推奨しています。これは先ほどお話しした、日本人に不足しがちな栄養素を間食で効率よく補給するためです。
それから、間食ダイエットを成功させるために、3つのルールを設定しています。
①起床から14時間以内にすべての食事を終える
②毎日必ず間食を摂る
③目的に合った間食を選ぶ
――「目的に合った間食」というのは、先ほどお話にあったフルーツや乳製品とは別に、ということですか?
森:はい、フルーツや乳製品とは別に、間食で摂ってほしい食品です。
私は、間食の目的は「体の栄養補給」「頭の栄養補給」「心の栄養補給」の3つに分かれると考えています。間食を欲しているのが体なのか、頭なのか、心なのか見極めて、その状態にあった食品を摂りましょう、ということです。
例えばデスクワークなどで頭が疲れてくると、気分転換に何か甘いものを口にしたいと感じることがありますよね。脳って実はすごくエネルギー消費量が大きいところですので。
そんな時には、例えば午前中の間食であればまずフルーツを食べてその後カフェラテ、午後の間食であれば牛乳を飲んだ後に焼きプリン1個、という風に、その人がどのような状態に置かれているかで摂るべき食品も変わってくるんです。
「頭の疲労回復」におすすめの間食(一例)
――「起床から14時間以内にすべての食事を終える」というルールも気になります。
森:例えば朝6時に起床する方の場合、夜8時にはすべての食事を終わらせて、それ以降10時間は絶食時間を設けましょう、というルールです。
人の体内には「ビーマルワン」という時計遺伝子があるんですが、ビーマルワンの発生量は起床後12時間以降に増えていき、その時間帯に食事を摂ると体脂肪がつきやすいと言われています。夜遅くなってからの食事が太りやすいと言われているのはこのためです。
ですからビーマルワンの発生量が少ない、起床から14時間以内に食事を終わらせましょう、と提案しています。この間食ダイエットでは、時間栄養学の考え方も取り入れているんです。
――「何を食べるか」とおなじくらい、「いつ食べるか」も重要なんですね。確かにこれらのルールを守っていくと、自然と生活リズムも整いそうです。
森:そうなんです。このダイエットを機に食生活やライフスタイルを見直すことになると思いますので、単にやせるだけでなく太りにくい体質になっていくと思います。
間食ダイエットなら、無理なく一生続けられる!
――間食ダイエットは、どれくらい続けると効果が出てきますか?
森:本の中でも3名のモニター体験談を紹介していますが、早い人だと10日で体重が1kgくらい減った人もいますね。
また尿酸値が高かった人が、間食ダイエットを続けることで数値が正常になったという話も聞きました。減量できたことと、規則正しい生活時間を送るように意識した結果だと思います。
――やはり「健康的にやせる」というのが、このダイエットの大きな魅力ですね。
森:はい。誰もが無理なく健康的にやせられるように、ということにこだわって考案したダイエット法なので、一生続けられると思います。
間食がどうしてもやめられない方、間食のせいで太ったとお考えの方こそ、この本を読んでぜひ「間食ダイエット」を習慣にしていただきたいです。
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いかがでしたか?
森由香子さんの著書『間食ダイエット』には、正しい間食法だけでなく、3度の食事の摂り方やその他生活面での心がけなど管理栄養士ならではのアドバイスが満載です。ぜひ参考にしてみてください!
森 由香子『間食ダイエット』(文藝春秋)
※記事の情報は2020年2月4日時点のものです。
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