ビタミンCが豊富な食べ物って? 効果や一日の摂取量、コンビニで買える商品も紹介!

肌の健康や疲労回復に効果的な「ビタミンC」、ちゃんと摂れていますか? ビタミンCは人間の体内では合成できないため、こまめに摂る必要があるのです。今回は、人間にとって必要不可欠なビタミンCの効果や、1日の適切な摂取量、豊富に含まれる食材まで、管理栄養士の森由香子先生に伺いました!

メインビジュアル:ビタミンCが豊富な食べ物って? 効果や一日の摂取量、コンビニで買える商品も紹介!

この方にお聞きしました

森 由香子(もり ゆかこ)さん

管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士。東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱している。「老けない人は何を食べているのか」「病気にならない人は何を食べているのか」「体にいい『食べ合わせ』」「太らない人の賢い食べ方」「老けない人の献立レシピ」など著書多数。

森先生

ビタミンCのはたらきって?

オレンジスライス

―そもそも、ビタミンCとはどのような栄養素なのでしょうか?

森:ビタミンCは水溶性のビタミンの一種で、アスコルビン酸とも呼ばれます。犬や牛などの生物は体内でビタミンCを合成することができますが、人間の体内では合成できません。そのため、食べ物やサプリメントから摂取する必要があります。

―「美肌のために積極的に摂ったほうがいい」と耳にする機会も多いビタミンCですが、体内ではどのようなはたらきをしているのですか?

森:ビタミンCは体内において、非常に多様なはたらきをしています。主なはたらきは、以下のとおりです。

・コラーゲンの合成をサポートする
コラーゲンは細胞と細胞をつなぐ接着剤のようなもの。皮膚はもちろん、丈夫な血管、筋肉などの組織をつくる役割を担っています。ビタミンCは、そのコラーゲンの合成をサポートします。

・細胞の酸化を防ぐ
老化や動脈硬化、疲労は、活性酸素が原因とされています。活性酸素は主に4種類ありますが、ビタミンCはその4種類すべてを無害化できます。 また、同様にビタミンEも体内の脂の部分を活性酸素から守る役割がありますが、このときビタミンCが一緒にあると、活性酸素の処理で疲れてしまったビタミンEをもう一度よみがえらせることができます。

・鉄の吸収をサポート
ビタミンCが鉄を吸収しやすい形に変化させることで吸収を促進させ、貧血を予防する効果があります。

・メラニン色素の沈着を防ぐ
紫外線の刺激を受けると、チロシンというアミノ酸がチロシナーゼという酵素のはたらきを受けてメラニン(黒い色素)になります。ビタミンCは、チロシナーゼのはたらきを阻害して、メラニン色素の沈着を防ぎます。

そのほかにも、肝臓の解毒作用を促進したり、発がん物質であるニトロソアミンの生成を抑制したり、葉酸の代謝を助けたりと、ビタミンCは体にとって重要なはたらきをしているんですよ。

また、日常的にビタミンCを摂取している人は、風邪にかかった場合にその期間がやや短いか、若干症状が軽くなる可能性があるとも言われています。

ビタミンCの1日の摂取量はどのくらい? 摂るべき時間帯は?

いろいろな野菜

―ビタミンCは1日にどのくらい摂取すればよいのでしょうか?

森:厚生労働省が示す2020年版食事摂取基準によると、ビタミンCの摂取推奨量は以下の表のとおりです。

ビタミンCの摂取推奨量

  男性 女性
  推奨量(mg/日) 推奨量(mg/日)
0~11ヶ月 40※ 40※
1~2歳 40 40
3~5歳 50 50
6~7歳 60 60
8~9歳 70 70
10~11歳 85 85
12歳以上 100 100
妊婦(付加量) 10
授乳婦(付加量) 45

出典:2020年食事摂取基準
※1歳未満については推奨量ではなく、目安量です。

 

ービタミンCを摂るべき時間帯はありますか?

森:ビタミンCは水溶性のため体に蓄積しておくことができないうえ、前述のとおりさまざまなはたらきをしているので常に消費されています。

現時点では、とくに何時頃に摂るとよいといった報告はありませんが、血液中のビタミンC濃度を常に高く維持するには、一気にまとめて摂るよりも、約2~3時間の間隔でこまめにとる方が効果的です。

ビタミンCを摂りすぎるとどうなる? 不足した場合は?

サプリ摂取イメージ

―ビタミンCをたくさん摂りすぎるとどうなりますか?

森:日本人の食事摂取基準(2020年版)では、耐容上限量(過剰摂取による健康被害を起こす危険のない最大摂取量)は、とくに定められていません。

ビタミンCはカルシウムや鉄などのミネラルと異なり、体内への吸収率は高く、1日あたり200mg程度の摂取であれば90%ほど吸収されます。過剰に摂取すると吸収率は低下し、口にしてから2~3時間以内に使われなかった分は、尿とともに排泄されます。

ただし、サプリメントなどで1日3000~4000mg以上摂りすぎると下痢をおこしやすくなるという報告があるほか、腎機能障害のある人は、腎シュウ酸結石のリスクが高まるという報告もあります。

―それでは、不足した場合はどうなるのでしょうか?

森:不足した場合は壊血病になると言われていますが、現代の日本ではあまり見られません。しかし、ビタミンC不足によりコラーゲンが充分に生成されなくなると、毛細血管の結合組織が弱くなり、出血が止まりにくくなります。壊血病にいたらなくても、ビタミンCの不足が続くと歯茎から出血しやすくなったりすることがあります。

ビタミンCを摂るなら、どんな方法がおすすめ?

サラダ

―ビタミンCは、どのようなもので摂るとよいでしょうか?

森:食事でとる場合とサプリメントでとる場合で、吸収率や利用率に差はありません。そのときの状況に応じて選択するのがよいでしょう。

食べ物から直接摂る場合、野菜や果物は新鮮なものや旬のものの方がビタミンC含有量が多くなります。

―調理方法で気をつけるべきことはありますか?

森:ビタミンCは水と熱に弱いので、生で食べるか、さっとゆでたりする簡単な調理法がおすすめです。とくにフルーツは生で食べるのがよいでしょう。

ただし、酸素に触れなければ熱による影響はあまり出ないということもわかっています。そのため、空気に触れる機会の多い炒め物よりも揚げ物のほうがビタミンCの損失率は低くなります。また、酢の物にすることでビタミンCの酸化を防ぐこともできますよ。

ビタミンCはどんな食べ物に含まれている?

野菜や果物

―ビタミンCは、具体的にどんな食材に含まれているのでしょうか?

森:ビタミンCは、野菜やイモ類、果物に多く含まれています。100g中に含まれるビタミンCの量は、以下の表のとおりです。


【野菜とイモ類 100gあたりのビタミンC含有量】

食品名(加工状態) 100g中ビタミンC量(mg)
赤ピーマン (油いため) 180
黄ピーマン (油いため) 160
なずな 110
めキャベツ (ゆで) 110
トウミョウ 79
青ピーマン (油いため) 79
にがうり (油いため) 75
たかな 69
みずな 55
ブロッコリー (ゆで) 55
カリフラワー (ゆで) 53
葉だいこん 49
ししとう (油いため) 49
グリーンボール 47
なばな・和種 (ゆで) 44
さやえんどう (ゆで) 44
のざわな 41
キャベツ 41
かぼちゃ・西洋 (ゆで) 32
とうがん (ゆで) 27
日本ぐり (ゆで) 26
さつまいも・皮むき (焼き) 23
あしたば (ゆで) 23
こまつな (ゆで) 21
ほうれんそう (油いため) 21
チンゲンサイ (油いため) 21
さつまいも・皮つき (蒸し) 20
じゃがいも (水煮) 18
じゃがいも (蒸し) 11

 

【果物100gあたりのビタミンC含有量】
食品名 100g中ビタミンC量(mg)
グァバ 220
キウイフルーツ (黄肉種) 140
アセロラ10%果汁入り飲料 120
甘がき 70
キウイフルーツ (白肉種) 69
いちご 62
オレンジ・ネーブル 60
グレープフルーツジュース (濃縮還元) 53
パパイヤ 50
ぶんたん 45
ぽんかん 40
オレンジ・バレンシア 40
はっさく 40
なつみかん 38
グレープフルーツ (緑肉種・紅肉種) 36
いよかん 35
うんしゅうみかん 35

日本食品標準成分表2015年版(七訂)2019年データ更新 より

コンビニで買えるビタミンC豊富な食べ物は?

―ビタミンCは、コンビニに売っている商品からでも摂ることができますか?

森:ビタミンCは野菜や果物に多く含まれているので、コンビニの食べ物からでも簡単に摂取することができます。

たとえばサラダであれば、野菜サラダチョレギサラダコールスローサラダ玉ねぎサラダ野菜スティックオクラのネバネバサラダほうれん草とベーコンのサラダトマトサラダポテトサラダなどがよいでしょう。

惣菜なら、カボチャの煮物大根の煮物ほうれん草の胡麻和えかぼちゃやさやいんげんなどの野菜のてんぷらなど。食事のメインになりそうなものなら、サラダチキン入りの野菜サンドほうとう鍋焼きうどん中華丼野菜が多く含まれているビビンバ丼などもおすすめです。

そのほかにも、野菜スープ千切りキャベツカット野菜冷凍野菜枝豆大根おろしピクルスフルーツフルーツジュース緑茶などからもビタミンCを摂取することができますよ。

―さまざまな商品からビタミンCを摂ることができるんですね! 選ぶうえで気を付けることはありますか?

森:食材は新鮮なものほどビタミンCの量が多くなります。

例えば野菜でいうと、ほうれん草は旬である冬の方がビタミンCが多いですし、ニラ、春菊、ブロッコリー、キャベツ、アスパラガス、トマト、キュウリ、大根などもそれぞれ旬の方がビタミンC含有量は多くなります。

果物も同様に、春はイチゴ、夏はキウイ、秋は柿、冬はミカンというように、旬のものを食べるとより多くのビタミンCを摂ることができます。商品を選ぶときは、そういったことも気にしてみると良いかもしれませんね。

また、料理の材料として野菜を選ぶ場合には以下のことも覚えておくと便利です。

・ジャガイモは、保存期間が長くなればなるほどビタミンCが減る。
・大根おろしは、おろしてから時間が経つとビタミンCが減るので、早めに食べるのが◎。
・キャベツは切るとビタミンCが減るため、千切りを買うよりも丸ごと買ったほうが良い。
・千切りキャベツを利用するときはレモン汁をかけるとビタミンCを補給できる。
・赤、黄、緑のピーマンのうち、ビタミンC含有量で選ぶなら赤ピーマンがおすすめ。
・淡緑色キャベツと紫キャベツならば、紫キャベツのほうがビタミンCは高い。
・トマトとミニトマトならば、ミニトマトのほうがビタミンC含有量は高い。

編集部が、コンビニで買えるビタミンC豊富な食べ物を選んでみました!

森由香子先生からのアドバイスを受けて、コンビニで手軽に買えるビタミンCが豊富な食べ物を編集部が選んでみました。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物①|野菜サラダ

野菜サラダ

まずはどこのコンビニでも手に入る、王道の野菜サラダ。火を通さない生野菜であれば、栄養価を損なわずにビタミンCを摂取できます。ビタミンCを豊富に含むキャベツがたっぷり入っているものを選びましょう。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物②|コールスローサラダ

コールスローサラダ

さわやかな酸味が口いっぱいに広がるコールスローサラダ。こちらもキャベツが使われているので、ビタミンC補給におすすめです。また、お酢の成分がビタミンCの酸化を防ぎます。さらに、とうもろこしにはビタミンEが含まれているため、相乗効果で抗酸化力がアップします。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物③|オクラのねばねばサラダ

オクラのねばねばサラダ

オクラには100gあたり11mgのビタミンCが含まれています。一緒に大根が使われているものを選べば、大根からもビタミンCを摂ることができます。また、オクラのねばねばには整腸作用があり、便秘予防にも効果があります。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物④|枝豆

枝豆

おつまみ感覚で食べたいなら、枝豆がおすすめです。枝豆には100gあたり27mgものビタミンCが含まれています。電子レンジで温めるだけで食べられるので、調理も簡単なのがうれしいポイントです。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物⑤|ぬか漬け

ぬか漬け

大根のぬか漬けもおすすめです。大根には、100gあたり12mgのビタミンCが含まれています。熱に弱いビタミンCですが、ぬか漬けであれば生のまま食べられるので、効率よく栄養を摂取することができます。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物⑥|ビビンバ丼

ビビンバ丼

野菜がたっぷりのったビビンバ丼は、食事のメインにぴったりです。たくさん食べたい日などにこれを選べば、おなかは満足&ビタミンC補給も叶って一石二鳥。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物⑦|野菜とハムのサンドイッチ

野菜とハムのサンドイッチ

こちらも、ハムのタンパク質と野菜のビタミンCの両方を摂ることができるので、食事のメインとしておすすめです。ほかに、サラダチキンの入った野菜サンドイッチなどもよいでしょう。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物⑧|カットフルーツ

カットフルーツ

デザートには、フレッシュなカットフルーツをチョイス。自分で皮をむいたりカットしたりという手間をかけずに、さまざまなフルーツからビタミンCを補給できるのがうれしいところ。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物⑨|緑茶

緑茶

緑茶もビタミンCを含んでいます。ビタミンCは体内に蓄積しておけないので、こまめに緑茶を飲むことで、血中のビタミンC濃度を保つことができます。

コンビニのビタミンC豊富な食べ物⑩|果汁100%のフルーツジュース

フルーツジュース

手軽にビタミンCを補給するなら、果汁100%のフルーツジュースも◎。コンビニには、オレンジジュースだけでもさまざまな種類が売っているので、お気に入りを探してみるのも楽しいかもしれません。

コンビニの食べ物をうまく活用して、ビタミンCをこまめに摂ろう!

ビタミンCは、コラーゲンの生成や抗酸化作用など、体にとって欠かせない栄養素。肌の健康目的だけでなく、積極的に摂取することが大切です。

野菜や果物に多く含まれているので、コンビニに売っている食べ物からでも簡単に摂ることができます。

ビタミンCは、こまめに摂ることがポイント。コンビニ商品を上手に取り入れながら、毎回の食事などで体に補給してあげましょう。

※この記事は、2021年10月15日時点の情報です。

  • 1現在のページ