あの美容成分が肌トラブルの原因?<美容部員が教えてくれない話①>

広告のコピーやブランドイメージに頼って化粧品を選んでいませんか? 自分に合うものを見つけるには「化粧品」の成分やその効果を知ることが大切です。大切な自分の肌を輝かせるために必要な美容の知識をご紹介します。

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この方にお聞きしました

石井淳子 さん

ニキビや肌トラブルに悩んだ経験からスキンケアに興味を持ち美容の世界へ。現在は都内に2店舗のサロンを経営。エステティシャンの育成や化粧品の開発などにも携わっている。

石井淳子さん

「高価格化粧品がお肌にいい」とは限らない?!

私たちが使っている化粧品はどんな成分で配合されているのか。まずは基本的な構造をご説明します。下図のように、化粧品の90%はベース成分(基剤)と呼ばれるもので、水、や保潤剤、油分と水分を混ぜ合わせる働きがある「界面活性剤」によって構成されています。残りの10%が有用成分(ヒアルロン酸、ビタミン等)や防腐剤でぞれぞれ数パーセント含まれています。この比率は数万円する高級化粧品でもほぼ同じで、ベース成分の中の保潤剤や有用成分の質によって値段に差が出ているのです。

化粧品の配合

高級化粧品の中には有用成分の比率が高いものもありますが、どれくらい有効成分が配合されているかは明記されていないことがほとんど。効果な化粧品の中には“高濃度”などのうたい文句が書かれていることもありますが、高濃度の表記基準がないため、はっきりとした数値を知ることはできません。「高級=肌にいい」とは限りませんので、自分の肌に合うものを見極めることが重要です。

化粧品選びのコツは容器や外箱の裏面にアリ

一般に販売されている化粧品は「全成分表示」が法律で決められているので、容器や外箱を見ればどんな成分が入っているのかを確かめることができます。表示の仕方にも決まりがあり、以下の4つルールがあります。

①全ての配合成分を記載する
②配合量が多い順に記載する
③配合量が1%以下の成分は、記載順序は自由
④着色剤は、配合量にかかわらず末尾にまとめて記載

先ほどお話したように化粧品の90%はベース成分なので、化粧水の容器の裏面表示を見て、5番目くらいまでに書かれているのがベース成分となりなります。
 

配合成分


例えば上の画像のような表示なら 水、BG、エタノール PEG50水添ヒマシ油、などがベース成分となります。

〈主なベース成分〉

●水性成分
水・エタノール、グリセリン、BG、PG、DPGなどの保潤成分

●油性成分
オリーブ果実油やミネラルオイル、ミツロウなど、水に溶けず、水分の蒸発を防ぐ成分

気をつけたほうがいい成分

「肌に合う」「肌に合わない」を決めるベース成分のうち、特に注意して欲しい成分がいくつかあります。

●エタノール ~敏感肌・乾燥肌の人は要注意~
いわゆるアルコールの成分で肌への刺激が強いとされています。アルコールが蒸発するときに、肌表面の水分を一緒に奪ってしまうので乾燥することが多く、敏感肌の人や乾燥肌の人にはおススメできません。

●シリコン油 ~毛穴を防ぐ原因になることも!~
シリコン油は、メチコン、ジメチコン、アモジメチコン、シクロメチコンなどいろいろな種類がありますが、覚え方は簡単です。最後がコンなら「シリコン油」となります。シリコン油は実は油ですらなく合成樹脂、プラスチック油なのです。車のワックスとか機械用によく使われているもので、撥水性があり、コーディング力が強いので毛穴をふさいでしまう原因になることもあります。

●合成香料 ~アレルギー、接触性皮膚炎をおこしやすい成分~ 
化学反応を利用した方法で作られる香料のことで、3,000を超える種類があるとされています。米国の消費者団体が、3,000種類の成分を解析したところ、1,000以上が「懸念ある化学物質」として国際機関などの公式リストに掲載された物質を含んでいたこともわかっています。日本では香料規制ができていないので真偽はわかりませんが、避けておいたほうが安心です。

●石油系合成界面活性剤 ~肌のバリア機能低下を招く~
界面活性剤の中でも石油系のものは肌への浸透力が強く、バリア機能を低下させると言われています。肌の「バリア機能」とは、乾燥と外部刺激から肌を守る役割のことで、水分の蒸発を防ぐ働きもあります。

●グリセリン ~ニキビや吹き出物がでやすい人は要注意~ 
優れた保湿作用のある「グリセリン」もニキビや吹き出物ができやすい人にはトラブルの原因になることもあります。グリセリンを使うとアクネ菌が増殖しやすくなりニキビが悪化する人もいるようです。なかなか治らないニキビや吹き出物に悩んでいる人は「グリセリンフリー」の化粧品もあるので、試してみるといいかもしれません。

商品を使ってみて合わないと思ったら、上位成分(表示の5つ目くらいまで)を書きとめておきましょう。いくつかの商品の上位成分を書いておくことで、だんだんと自分に合わない成分を見つけ出せるようになります。また、「これは肌に合う!」と思ったら、その成分も書いておくことをおすすめします。

美しい肌を保つために、知っておきたい有用成分とは?

化粧品の90%はベース成分で、残りの10%程度が美容成分とも呼ばれる有用成分です。美白目的や抗老化(エイジングケア)、保湿など様ざまな目的に合わせて配合されており、その商品のセールスポイントとなっているものです。紫外線防止や皮脂抑制、血行促進などを目的にしたものもあります。代表的な成分をいくつかご紹介しますので、化粧品選びの参考にしてみてください。

〈保湿成分〉

●ヒアルロン酸
1gで6ℓの保水効果があるといわれる成分。肌の中にも存在していますが、年齢とともに減少するのでスキンケアで補うことで、肌のうるおいをキープすることができます。

●コラーゲン
タンパク質の1種。真皮層で細胞同士をつなぎ合わせ、肌のハリや弾力をサポートしています。体内で合成できるコラーゲンは年々減少してくのでスキンケアで補うことが効果的だといわれています。化粧品には動物や魚の真皮に多く含まれるコラーゲンを酵素を使って分解し、不要なものを取り除いたものが使用されています。

●セラミド
肌の中で水分の蒸発を防ぐバリア機能を担っている成分です。化粧品に配合されているセラミドには人の皮膚にあるものに似せてつくられた「ヒト型セラミド」、こんにゃくや米ぬかから抽出した「植物性セラミド」、人の持つセラミドにほぼ近い「天然ヒト型セラミド」などがあります。

●アミノ酸
肌がもともと持っている天然のうるおい成分で「天然保湿因子」と呼ばれるものです。角層層の水分保持の役割があります。化粧品では天然保湿因子の組成に似せて、保湿効果のあるアミノ酸(プロリン、グリシン、アラニン、セリン)などを配合しています。

〈美白有効成分〉
※美白有効成分とは厚生労働省により「メラニンの生成を抑え、シミやソバカスを防ぐ」もしくは類似した効能を表示することが認められた成分のことです。

●ビタミンC誘導体
ビタミCはそのまま化粧品に配合してもすぐに酸化してしまい、肌で効果を発揮できません。その弱点をカバーするため、肌に浸透しやすい状態にしたものがビタミンC誘導体です。

●アルブチン
アルブチンはコケモモなどの植物に含まれる成分でメラニン生成の際に必要なチロシナーゼという酵素の働きを抑制しシミをできにくくする作用があります。

●コウジ酸
コウジ酸は、米麹などに含まれる天然由来の成分で、1988年に厚生労働省に美白有効成分として認可された美白成分としては歴史のあるもの。コウジ酸にはメラニン生成を抑制する作用のほか、抗炎症作用や活性酸素を抑える働きがあると言われています。

●ハイドロキノン
メラニンの生成を抑えるだけでなく、できてしまったシミを薄くする作用があるといわれています。ハイドロキノンは濃度によって美白作用が違いますが、一般の化粧品では1~3%がほとんど。皮膚科などで処方されるオリジナル化粧品では5%以上のものもありますが、強力な美白作用があるため使用には注意が必要です。

〈抗老化(エイジングケア成分)〉

●レチノール
レチノールとはビタミンAのことで、肌の中にあるコラーゲンやヒアルロン酸を増やしたり、肌の生まれ変わりを促すことで、シワやたるみなどのケアができると言われています。紫外線を浴びるとトラブルを起こしやすい性質があるため、昼間の使用は避けたほうがよいとされています。

●コエンザイムQ10
強力な抗酸化作用を持つコエンザイムQ10は、皮膚の細胞を活性化し、紫外線などによる活性酸素を抑えます。またエネルギー産生促進作用があり、肌の老化を防ぐ効果もあります。もともと体内にある成分ですが、年齢とともに減少するため化粧品で補うことで、若々しい肌を保つことができるといわれています。

●フラーレン
フラーレンとは、炭素のみがサッカーボール状に構成された分子で、ビタミンCの170倍以上とも言われる抗酸化作用があるといわれています。シミやシワ、毛穴の開きにも作用します。

「無添加、オーガニック、自然派…」あいまい表記のワナにご用心!

「無添加」や「オーガニック」などの表記には明確な基準はなく、内容は様ざまです。たとえば、「無添加」は表示指定成分の中で何か1種類でも入っていなければ「無添加化粧品」を名乗ることができます。入っていない成分が何なのかは、先ほどお話した容器裏の表示で確かめることもできますが、プロが見ても分からない時もあるので見分けるのはなかなか難しいと思います。

「オーガニック」はヨーロッパでは“有機栽培した植物から摂れる成分のみで作られたもの”という厳しい決まりがありますが、日本では表示するための基準はありません。「オーガニック」を名乗るものは植物由来の成分を使っている商品に多く見受けられますが、「オーガニック=安心」と思い込むのはキケンです。

「自然派」「低刺激」なども特別な決まりはなく、植物由来成分を多く使っている、アルコールなどの刺激のあるものを極力抑えるなど、メーカーの独自基準でつくられているのが現状です。


美肌づくりのためには日々のスキンケアを丁寧にすることが何より大切。自分に合った化粧品が見つかれば、今よりも確実にキレイな肌に近づくことができます。

次回はスキンケアの基本、化粧品を効果的に使う方法や注意点についてご紹介します。


※記事の情報は2019年8月16日時点のものです。