パーティにもOKの塩抜き野菜ずしをどうぞ【塩抜きダイエット実践編⑥】
「塩抜きダイエット」で1日1㎏、2日で2㎏も夢じゃない! 年末年始は人が集まってワイワイ食べる機会が増えてきます。そんなときにおすすめの、塩抜きでも違和感ゼロのごちそう、塩抜き野菜ずしをご紹介しましょう。
パーティシーズンこそ塩抜きダイエット
こんにちは! 野菜料理家の庄司いずみです。
この連載では、人気のダイエットメソッド、1日1㎏、2日で2㎏減も夢じゃない、塩抜きダイエットを紹介しています。
連載も7回目ともなると、すでにトライしたという声もよく聞きます。一日でジーンズがゆるくなった、顔がシュッと引きしまったなど、嬉しい報告もたくさん。
ただ、私の周囲で最近聞こえるのが「年末だけはしょうがないか」の声。
そう! 年末が近づくとどうしても人が集まってごちそうを食べる機会が増えてきます。そうなると、塩抜きはできないというわけです。
が、パーティシーズンこそ塩抜きを取り入れてほしいのです。
ごちそうメニューはおいしさを追求する料理。どうしても塩分が強めです。そんなごちそうを食べながらお酒やソフトドリンクを飲むと……。翌朝には体がむくんで当然です。
一日だけならいいのですが、何日もごちそうが続くとカロリーオーバーにもなりますし、さらにむくみから体を冷やすことにも。そうなると代謝が落ちて、体脂肪まで増えることも。
「塩抜き」なのにおいしい! ごちそうメニュー
おすすめは、ごちそうの日も塩抜きメニューを取り入れること。せっかくの華やかな場においしくないと話になりませんが、大丈夫! 塩抜きを感じさせないごちそうメニューもありますよ。
たとえば……。
この回で紹介した塩抜き常備菜などは実はパーティにもピッタリ。クラッカーやバゲットにのせると塩分を一緒にとることになりますが、チコリや薄切りの大根などにのせるとお洒落な前菜風です。
この回のトマトソースの野菜のステーキなども、おもてなしメニューにもなりますね。
おすすめは「塩抜き酢めし」
そして、今回力いっぱいおすすめしたいのが、野菜のおすしです。
これまでの連載でもよく登場したマリネやサラダなど、酢を使う料理は塩抜きに向いたメニューです。酢だけでは物足りない時も、甘みを足すとなぜか塩気を感じる味覚のマジックで、ぐっとおいしくなるのです。
酸味と甘みといえば、そう! おすしもそうですね。普通酢めしは酢と砂糖、そして塩を混ぜて作りますが、実は塩を入れなくてもおいしい酢めしはできるのです。
用意するのはこちら。まずはお酢。そして甘みづけには砂糖でもいいのですが、ヘルシーにみりんを使います。さらに、甘みとうまみを補うために切り干し大根をたっぷりと。
みりんは甘さを強めるため、半量まで煮詰めます。左側が煮詰めたほう。色がグーッと濃くなっているのがわかるでしょうか。とろみもついて甘さがグーッと増し、蜂蜜かメープルシロップくらいの甘さになります。
気をつけたいのは、みりん風調味料とあるものは塩が入っている場合もあること。塩抜きデーには塩の入らない本みりんを選んでくださいね。
分量は、ごはん2合分に対し、切り干し大根を40g。これは洗ってみじん切り。酢が80ml、みりん40mlは半量まで、つまり20mlになるまで煮詰めてから使います。これらをあらかじめ混ぜ、炊きたてごはんに混ぜるのです。
切り干し大根は洗うだけ。戻さなくても酢やみりんの水分やごはんの蒸気でしっかり戻ります。戻さず使ったほうがうまみを感じます。塩なしでもおいしくするコツの1つです。
塩抜き酢めしでできる「野菜のおすし」いろいろ
この酢めしさえあればあとは簡単。
①塩抜きなますの混ぜずし
一番簡単なのは混ぜずしです。手前は塩抜きのなますと、アクセントにゴマを混ぜ込んだ混ぜずし。
塩抜きのなますはおせちにも重宝ですよ。
だいこん30gの千切り、人参15gの千切りをボウルに入れてメープルシロップ小さじ1を馴染ませます。ふつうは塩で水を出してしんなりさせますが、実は糖分にも同じ効果があり、10分もすれば大根がしんなりしてきます。そうしたらギューッと絞り、酢大さじ1、メープルシロップ小さじ1、好みで赤唐辛子を混ぜます。これでなますの出来上がり。
これをお茶碗1杯分(160g)くらいの酢めしにゴマとともに混ぜ込めば出来上がりです。
②揚げねぎと海苔の混ぜずし
奥のおすしは揚げねぎと海苔を混ぜ込んだだけの、簡単混ぜずし。
揚げねぎは1本分を小口切りにしてこんがり揚げます。焼き海苔1枚は小さくちぎり、これらをお茶碗1杯分の塩抜き酢めしに混ぜるだけ!
黒コショウをふるととてもおしゃれな味です。
型をもっていれば押しずしもいけますね。
押しずしの型の下に具材をしきつめ、酢めしをのせて型抜きするだけ、簡単です。型を持ってない方は、パウンド型などを使って型抜きしてもいいのです。
③塩抜きのれんこんの甘酢漬け押しずし
れんこん1/2節を薄切りにしてサッと茹で、酢35ml、メープルシロップ大さじ1/2、しょうがのみじん切り1片分と混ぜれば甘津漬けの出来上がり。
これをおかずとして食べてもいいですし、写真のように押しずしに仕立てると、パーティなどでもよく映えます。
④ブロッコリーとくるみのブルスケッタの押しずし
これはちょっと変化球。酢めしだけを型抜きし、上に塩抜きのサラダを飾った押しずしです。 レシピを紹介しておきますね。
●ブロッコリーとくるみのブルスケッタの押しずし(2本分)
材料
- ブロッコリー 30g(粗く刻む)
- くるみ(無塩のもの) 5g(粗く刻む)
- ▼(A)
- ・にんにく 1/2片(みじん切り)
- ・オリーブオイル 小さじ1
- ・とうがらし 1/2本(小口切り)
- 白ワイン 15ml
- レモン果汁 大さじ1
- 塩抜き酢めし 1/2合分
作り方
- (A)をフライパンに入れて中火にかけ、香りがたったらブロッコリーとくるみを炒め合わせる。
- 白ワインを加え、蓋をして弱火で30秒蒸し煮にし、ブロッコリーに火が通ったらレモン果汁を加えてサッと混ぜ、火を止める。
- 酢めしだけを型抜きして切り分け、2を上からのせる。
トマトで作るブルスケッタの、トマトの変わりにブロッコリーを使ったレシピです。くるみやにんにくの風味もあって、塩抜きでも十分おいしい。
トマトでもいいですよ! トマトの場合は加熱せず、角切りトマトと玉ネギなどを和え、レモン果汁や酢、オリーブオイルなどで味をつけます。ふつうは塩も入れますが、塩味なしでも十分おいしい。パーティなら2種類用意して、並べて盛りつけると華やかです。
野菜のおすしは見栄えもいいし、酸味と甘みの力で、塩抜きを感じさせないおいしさ。パーティでもひけをとりません。
たとえば持ち寄りパーティの時、塩抜きおすしを持参すれば、ほかのメニューで少し塩をとりすぎても、バランスが取れるから安心です。年末年始にぜひ取り入れてくださいね。
次号はまだまだ続く暴飲暴食の時期を乗り切る、朝食リセット塩抜きレシピをご紹介します。お楽しみに!
【ご注意】
塩分は血圧を一定に保ったり、筋肉をスムーズに動かしたりと、人間にとって欠かせないものです。塩抜きダイエット中であっても、汗をかいたら水分と塩分を適度に摂ることが重要です。特に熱中症が心配な時期は体内の塩分が不足しないようご注意ください。また、すでに塩分をコントロールしている方や、水分やカリウムの摂取を制限されている方、健康に不安のある人は主治医に相談してから行ってください。
※記事の情報は2019年11月29日時点のものです。
庄司いずみさんのロングインタビューがこちらで読めます【Aktio Note】
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