即効性で人気! 「塩抜きダイエット」メソッドとレシピ〈基本理論編〉
塩分を控えた調理で、1日1㎏、2日で2㎏も夢じゃない! たっぷり食べてOK、しかも美味しい。そんな「塩抜きダイエット」の魅力とレシピを、野菜料理家の庄司いずみさんが紹介していきます。
こんにちは、野菜料理家の庄司いずみです。野菜料理家という肩書きは耳慣れないかもしれませんが、植物性100%のヴィーガン料理や野菜中心の家庭料理の専門家です。野菜だけのレシピを料理本や教室で紹介したり、プラントベースのメニュー開発などの仕事をしています。
野菜料理はそもそもダイエットによく、私が主宰するクッキング・スタジオの料理クラスには、美容や健康に関心の高い方も多くいらっしゃいます。なかでも「すぐに体を絞りたい!」「今すぐ体重を落としたい!」という方に特に人気のメソッドがあります。
人気の秘密は即効性。塩抜きを試したその日に1㎏減、2日続けたら2㎏減る人も少なくないのだから驚きます。
やり方はいたってシンプル。“塩抜き”という言葉通り、調理に塩を使わない。ルールはそれだけ、カンタンです。
塩以外にも、みそ、しょうゆ、ケチャップ、マヨネーズ、豆板醤など、塩分を含む調味料も使いません。見落としがちですが、めんつゆやスープのもとなども。また、調理の素材にも、塩昆布、ベーコン、さつまあげなど、塩分たっぷりの素材も控えます。
が、それさえ守ればあとは自由!
量もたっぷり食べてもいいし、揚げもの、ごはんもの、好きな方なら甘いもの。ビールやお酒などもいつも通りでかまいません。お腹いっぱい食べられること、我慢がまったく必要ないことが、一番のメリットです。
ルールは1つと言いましたが、もう1つ注意してほしいのが、「長期にわたっては続けない」「無理はしない」こと。塩は体に必要なものだから、長く塩をとらない生活をすると問題が出てきます。めまい、ふらつき、血圧が下がりすぎてだるくなる、など。特に、汗をかくことで体内が水分・塩分不足になりがちな熱中症の時期は要注意です。
体質には個人差があるし、生活スタイルも人それぞれ。毎日たっぷり汗をかく人、座りっぱなしの人、高血圧の人、低血圧の人…などなど。塩抜きダイエットをするときは「マックスでも週2日」とし、必要なときは塩分を補ってください。
塩抜きダイエットでなぜ痩せる?
今回は連載初回なので、塩抜きのメカニズムにも触れておきましょう。「調理に塩を使わない」、ただそれだけで1㎏、2㎏ストンと落ちるそのわけは…。
「それはむくみがとれるから」
私たちの体には、体内の塩分濃度を常に一定に保つ働きがあります。しょっぱいものを食べ過ぎて、血液中の塩分濃度が高くなると、薄めようとして血管が水を取り込みます。これが体重増加やむくみの原因。
血液が増えると血管が膨らみ、高血圧を引き起こすため、減塩を心がける方も多いですが、減塩は案外難しい。
だから塩抜き!
塩を一時的に食事から抜くと、余分な水分は速攻で尿として排出され、その分、体重がすぐに減ります。
体脂肪が減るわけではないので、”痩せる”という言葉は正確ではないのですが、むくみは冷えの原因になるので、水分が排出されると冷えも解消。体が温まる結果、脂肪が燃焼しやすい体に。塩抜きメソッドをマスターすれば痩せやすい体にもなります。
無理のないペースでできるのも、塩抜きダイエットの魅力
さて、ではどれくらいのペースで実践すればいいかというと、数年前『週末だけ 塩抜きダイエット デトックス・レシピ』という本を出版したので、「毎週末やるべきですか?」とよく聞かれます。
が、これこそは個人差があります。
塩抜きを1~2日実行すると、たいていの人はふつうの食事に戻したときに、とてもしょっぱく感じます。その結果、塩抜き実践後はふだんよりは薄味になる。そうすると、体が水分をため込む必要もないため、むくみや体重がすぐに戻ることはありません。
もちろん、翌日から、いつものラーメンでもカレーでもOKという方もいます。この場合、むくみが戻るのも早い。4~5日で体重がもと通りということもあるはずです。その場合は、週末ごとに実行するのがよいペースかもしれません。
人によっては、むくみや体重が戻るのに、2週間、1ヶ月くらいかかることもあります。その場合は月2度、月イチなど、「むくんだな、不快だな」というときにやればOK。体にあわせて無理なくできるのもいいところです。
ちゃんと美味しい! 塩抜きレシピ
が、おいしくなくては続かない。私が紹介する塩抜きレシピは、「塩抜きでも普通においしい」。これも人気の秘密のようです。
写真は、スタジオでの塩抜きダイエットクラスで一番人気のオムレツ風。私のレシピはヴィーガンなので、卵も使いません。ノンエッグ、ノンソルト。ケチャップ風は、塩味をふくまないスペシャルレシピなのですが、これが案外おいしいのです。
ケチャップ風もいけますが、ソース風もあり。
これも、塩抜きダイエットクラスに登場するお好み焼き風ですが、肉も卵もなしでも食べ応えあり。塩抜きの特製ソースもイケるのです。
これも塩抜き! ミートフリー、ソルトフリーのキーマカレー風。これから塩抜きダイエットクラスに登場する新作レシピですが、うまみたっぷり。ご参加の方の反応が楽しみです。
塩抜きのおすすめレシピや、塩抜きでもおいしく仕上げるコツなどは、この連載で毎号紹介していきますが、くどいようですが味もいいですよ!
塩、しょうゆ、味噌は使わないとはいえ、味つけ素材は案外あります。
みりん、砂糖、メープルシロップなど甘味をつけるもの。酢、レモン果汁など酸味をつけるもの。酒、だし、トマトペーストなどうまみをつけるもの。これらをうまく組み合わせ、素材も、きのこやトマトなどうまみの多いものを取り入れれば、ふつうにおいしい料理に仕上がります。
それ以前に、ふだんの料理でも塩抜きでイケるものもありますよ。たとえばサラダ。マヨネーズや市販のドレッシングは塩分を含みますが、ビネガーとオイルだけで食べてもおいしいもの。
こんがり焼いた肉厚しいたけやジャンボマッシュルーム、松茸などにレモンを搾る。むしろ贅沢な食べ方です。
ほらね、工夫すれば案外難しくないのです。
では今月の塩抜きレシピ。
みんな大好きロコモコ丼を、ソルトフリー、ミートフリーで紹介します。ミートフリーのハンバーグ風は、きのこのうまみたっぷり。ケチャップ風のソースは、トマトのうまみたっぷりで、ごはんにも合うのです。添えたサラダも、にんにくの風味が効いていておいしい。
ぜひ1食取り入れて、体の変化を観察してみてください。1食塩を抜くだけでも、水分代謝が高まって驚くはずです。
塩抜きバーグのロコモコ丼(1人分)
材料
- ▼(A)
- ・玉ねぎ 50g(みじん切り)
- ・にんにく、しょうが 各5g(みじん切り)
- ▼(B)
- ・えのきだけ 100g(粗みじん切り)
-
・片栗粉、パン粉
各大さじ1
(種がまとまらなければ
パン粉を増やして調節を) - 油 適量
- ごはん 適量
- ▼(C)
- ・トマトペースト 大さじ1
- ・オリーブオイル、バルサミコ酢 各小さじ1
- ベビーリーフ 1/2パック
- プチトマト 2~3個(半分に切る)
- ▼(D)
- ・レモン果汁、オリーブオイル 各大さじ1
- ・おろしにんにく 小さじ1/8
作り方
- フライパンで油を熱して(A)をサッと炒める。
- ①と(B)をボウルに入れて混ぜ、ハンバーグ型にまとめる。
- きれいにしたフライパンで②を両面こんがり焼く。
- パスタ皿かどんぶりなどにごはんを盛り、③をのせ、混ぜ合わせた(C)のソースを塗る。
- ベビーリーフなどの野菜をのせ、(D)のドレッシングをかける。
せっかくだから1食だけでなく、せめてもうちょっと塩抜きしたいという方は、1食はロコモコ丼、ほかの食事は朝食ならばスムージーやフルーツ&ヨーグルト、おやつは焼き芋や焼き栗、塩分を含まないゼリーやアイス、無塩のナッツなど! 工夫次第でノンソルトで一日過ごすことも可能です。
次回は新作塩抜きレシピとともに、”塩抜き×ベジ”で効果アップの秘密を紹介します。お楽しみに!
【ご注意】
塩分は血圧を一定に保ったり、筋肉をスムーズに動かしたりと、人間にとって欠かせないものです。塩抜きダイエット中であっても、汗をかいたら水分と塩分を適度に摂ることが重要です。特に熱中症が心配な時期は体内の塩分が不足しないようご注意ください。また、すでに塩分をコントロールしている方や、水分やカリウムの摂取を制限されている方、健康に不安のある人は主治医に相談してから行ってください。
※記事の情報は2019年5月28日時点のものです。
● ● ●
\塩抜きダイエット、その他の記事はこちらからどうぞ!/
即効性で人気! 「塩抜きダイエット」メソッドとレシピ【塩抜きダイエット実践編①】
うまみの素で“美食の塩抜きメニュー”を楽しもう!【塩抜きダイエット実践編②】
常備菜でコツコツと!プチ塩抜きを実行しよう【塩抜きダイエット実践編③】
効果がイマイチでない時の裏技!【塩抜きダイエット実践編④】
ごはんが進む、魔法の塩抜きソース【塩抜きダイエット実践編⑤】
パーティにもOKの塩抜き野菜ずしをどうぞ【塩抜きダイエット実践編⑥】
年末年始も無理なくできる!『塩抜きプチリセット術』を取り入れよう【塩抜きダイエット実践編⑦】
春直前! 体がスッキリするデトックスレシピ【塩抜きダイエット実践編⑧】
庄司いずみさん主宰のクッキングスタジオ
・庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ
『週末だけ 抜きダイエット デトックス・ベジレシピ』
著:庄司いずみ
出版社:主婦の友社
1,100円+税
ご購入はこちら
庄司いずみさんのロングインタビューがこちらで読めます【Aktio Note】
- 1現在のページ