ミネラルたっぷり! 海藻のうまみを活用した和のおかず【塩抜きダイエット実践編㉗】
昆布やひじき、海苔など、キッチンに必ずおいてある海藻類は、塩抜きおかずに変化をつけたいときにぴったりの食材。今回は、そんな海藻類を使った、とっておきの塩抜きレシピを3品紹介します。
こんにちは。野菜料理家の庄司いずみです。
この連載では、「調理に塩を使わない」ことが唯一のルール、始めたその日に速攻で1㎏落ちる人も少なくない魔法のメソッド、塩抜きダイエットを紹介しています。
塩抜きで速攻体重が落ちるメカニズムはこちら。
そして実践テクニックや塩抜きレシピは、過去の記事でご覧くださいね。
「海藻」は塩抜きダイエットのマンネリを打開する秘策アイテム
この連載も長く続けているので、「もう塩抜きには慣れてきた」という方も多いようです。
塩抜きダイエットは自分のペースでできるのが一番いいところ。この連載では、塩抜きデーと決めた日に、簡単に作れて美味しく食べられるレシピを中心に紹介していますが、その塩抜きデーの設定の仕方も個人の自由です。
週一、隔週などマイペースで実行し、常にベスト体重を保つのもよし。「明後日までになんとかせねば!」というときに、一時的に取り入れるのもよし。
どんなやり方をしても、塩抜きをしたその日に効果が出るのだから、根気がない人でもOK、忙しいときでもOKなのがいいところです。
ではありますが…
「味に飽きた!」というのも、実はよく聞くお悩みです。
塩抜きで美味しい料理というのは、やはりどうしても限られてきます。今までのラインナップを振り返ってみると、トマトの旨味を使ったおかずがダントツで多いですね。オイルの風味やにんにく、スパイスなどでアクセントをつけたものも目立ちます。あとはマリネ、サラダなど「洋風のおかずが多いかな」という印象。
ですが、そればかりでは飽きてしまうという方や、「和食が食べたい」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方には、「海藻」を取り入れることをおすすめします。
キッチンを探せば、海藻類のひとつやふたつは見つかりますよね。だし昆布、乾燥ひじき、焼き海苔、とろろ昆布など。
調味のために塩を使った海藻類、たとえば塩昆布やふりかけひじき、味付けのりなどは避けたほうがいいのですが、それ以外の海藻類は、ぜひバンバン使ってください。
海藻の塩抜きレシピ①|海藻ミックスとたたききゅうりの酢のもの
たとえばこちら、海藻ミックスとたたききゅうりの酢のものです。
きゅうりはすりこぎなどで叩いて割るか、適当に切り、塩をふる代わりに砂糖を少々ふります。4、5分たつと水が出るので、その水を捨て、戻した海藻ミックスと混ぜて、酢を回しかければ出来上がりです。
このレシピは、砂糖がポイント。
通常、酢のものは塩であえ、浸透圧の力で水を出してから味をつけますが、砂糖にも同じ働きがあり、塩を使わなくてもきゅうりはしんなりするのです。
ほのかに残る砂糖の甘味、海藻のうまみ、酢の酸味。塩は使っていないのに、まるでポン酢であえたよう。完璧な味になって驚きますよ。
海藻の塩抜きレシピ②|ごぼうのとろろ昆布煮
お次は煮もの。
ごぼうの煮ものを、しょうゆを使わずに作るのは難しそうですが、大丈夫。とろろ昆布で作れます。
●ごぼうのとろろ昆布煮(2人分)
材料
- ごぼう(皮をこそげて斜めうすぎり) 小さめ1本
- とろろ昆布(ほぐす) 10g
- 酒 40g
作り方
- 鍋にごぼうととろろ昆布を入れ、酒を注ぎ、水1カップ程度を入れて中火にかける(水の量はひたひたの量で調整を)。
- 落とし蓋をし、ごぼうがやわらかくなるまで5、6分煮て火をとめる。
とろろ昆布は、意外にも昆布と酢だけといったシンプルな材料で作られているものが多く、塩抜きデーにも使えるのです。
ただし酒には要注意。料理酒には塩が入っていることが多いため、安いものでもいいので日本酒を使うと安心です。
海藻の塩抜きレシピ③|かぼちゃの海苔煮
最後はかぼちゃの煮もの。
ふだん、煮物にはしょうゆと砂糖を使うと思いますが、このレシピは塩やしょうゆはもちろん不使用。さらに砂糖も使いませんが、十分おいしくできるのです。
●かぼちゃの海苔煮(2人分)
材料
- かぼちゃ(一口大に切る) 170g
- にんにく(薄切り) 1片
- 焼き海苔(小さくちぎる) 1枚
作り方
- かぼちゃとにんにくを鍋に入れ、水をひたひたに入れて中火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、時々鍋をゆすりながら加熱を続け、かぼちゃに火が通ったら火を強めて水分を飛ばす。
- 海苔を混ぜ込み、水分がしっかり飛んだら火をとめる。
かぼちゃの煮物といえば甘いイメージがありますが、こちらは海苔の風味で塩気を感じることができるので、ごはんにもばっちり合います。
今回ご紹介した3品は、いずれも白いごはんのおかずにぴったり。
もうちょっと味に深みを出したいときには、この回で紹介した塩抜き酢めしを白ごはんのようにお茶碗に盛り、おかずを添えてもいいですね。
塩抜きデーに和食を楽しみたくなったら、今回の海藻レシピをぜひお試しくださいね。
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【ご注意】
塩分は血圧を一定に保ったり、筋肉をスムーズに動かしたりと、人間にとって欠かせないものです。塩抜きダイエット中であっても、汗をかいたら水分と塩分を適度に摂ることが重要です。特に熱中症が心配な時期は体内の塩分が不足しないようご注意ください。また、すでに塩分をコントロールしている方や、水分やカリウムの摂取を制限されている方、健康に不安のある人は主治医に相談してから行ってください。
※記事の情報は2021年8月27日時点のものです。
庄司いずみさんのロングインタビューがこちらで読めます【Aktio Note】
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